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農業生産品でインドがランクインしがちな理由

雑学
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インドの国土面積は世界第7位ですが、その広さに対して農業生産量は世界トップクラスの水準を誇ります。コメ、小麦、綿花、紅茶など、様々な品目で上位にランクインしており、まさに農業大国と言えるでしょう。今回は、インド農業がなぜ強いのか、その背景にある要因について探っていきたいと思います。

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多くの品目で上位に入るインド

インドは広大な耕地面積豊かな自然環境に恵まれ、世界有数の農業大国として知られています。以下、FAO統計に基づき、インドが1位または2位を獲得している主要農産物をご紹介します。

コメ
1位 中国(2億849万トン)
2位 インド(1億9624万トン)

小麦
1位 中国(1億3772万トン)
2位 インド(1億774万トン)

ひよこ豆
1位 インド(1354万トン)
2位 オーストラリア(106万トン)

サトウキビ
1位 ブラジル(7億2442万トン)
2位 インド(4億3942万トン)

綿花
1位 中国(1812万トン)
2位 インド(1499万トン)

バナナ
1位 インド(3452万トン)
2位 中国(1177万トン)

レモン
1位 インド(377万トン)
2位 メキシコ(310万トン)

マンゴー
1位 インド(2629万トン)
2位 インドネシア(412万トン)

※上記は2022年のデータに基づいています。

上記以外にも、とにかく多くの品目で上位に入るインド。これだけで農業大国であることが十分わかります。

Food and Agriculture Organization(FAO)
https://www.fao.org/

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莫大な人口を支える食料生産力

インドは世界第7位の国土面積を誇り、その約6割が農地で占められています。これは、日本の国土面積の約4倍に相当します。広大な耕地面積に加え、インドは豊かな自然環境にも恵まれています。

広大な耕地面積

インドの耕地面積は約1億7000万haで、これはアメリカに次いで世界第2位です。特に、ガンジス川やインダス川などの大河沿いの地域は、肥沃な土壌と豊富な水資源に恵まれ、稲作などの農業に適しています。

豊富な地形

インドは、広大なヒマラヤ山脈肥沃なインド・ガンジス平野起伏のあるデカン高原など、多様な地形に恵まれています。それぞれの地形が、独自の農業生産に適しています。

ヒマラヤ山脈

標高の高い山岳地帯は、豊富な水資源をもたらします。雪解け水は、灌漑用水として利用されるだけでなく、肥沃な土壌を育む源泉にもなります。また、山間部では、傾斜地農耕に適した土地が広がり、米、小麦、果樹などの栽培が行われています。

インド・ガンジス平野(ヒンドゥスターン平野)

広大な平野は、水田稲作に最適な地形です。インダス川、ガンジス川、ブラフマプトラ川などの大河川が流れ、豊富な水と肥沃な沖積土をもたらします。この地域では、インド全体の約半分にあたる米が生産されています。

デカン高原

起伏のある高原は、降水量が多く肥沃な黒土が広がります。綿花、落花生、大豆などの畑作物の栽培に適しています。また、高原の縁辺には、段々畑が形成され、米や小麦などの栽培も行われています。

多様な気候

インドは、温暖なモンスーン気候に属します。6月から9月にかけて吹く南西モンスーンによって、大量の降雨がもたらされます。この降雨は、農業生産にとって不可欠な水資源となります。

モンスーン降雨

年間降水量の約80%がモンスーン期に集中し、地域によって降水量が大きく異なります。降水量が多い地域では、コメ、小麦などの水田作物が栽培されます。一方、降水量が少ない地域では、綿花、落花生などの畑作物が栽培されます。

温暖な気温

インドは、年間を通して温暖な気温に恵まれています。平均気温は25度前後で、冬でも15度以下になることは稀です。温暖な気候は、作物の生育期間を長くし、高品質な農産物の栽培を可能にします。

肥沃な土壌

インドには、多様な土壌タイプが存在します。それぞれの土壌タイプは、特有の性質を持ち、特定の作物の栽培に適しています。

沖積土

インド・ガンジス平野に広く分布する沖積土は、肥沃で水はけが良い土壌です。コメ、小麦などの栽培に適しています。

黒土(レグール)

デカン高原に多く見られる黒土はひび割れ粘土質の土壌で、有機物に富み保水性が高い、肥沃な土壌です。雨水が豊富な条件では、綿花や大豆などの栽培に使用され、灌漑条件ではサトウキビ、小麦、タバコ、柑橘類などのさまざまな作物に使用できます。

黒土といえばウクライナに広がる肥沃な土壌「チェルノーゼム」が有名かと思いますが、チェルノーゼムに次いで肥沃であるとされているのがこの「ひび割れ粘土質土壌」です。

赤土

比較的痩せている赤土は、酸性度が高く、雨が多い地域に分布します。水と養分を保持する能力は低いですが、適切に管理すればコメ、大豆、茶、果実などさまざまな作物に使用できます。

ラテライト(ラトソル)

ラテライト土は、激しい降雨に見舞われる熱帯地方に分布し、酸性度が高く、アルミニウムやマンガンを含んだ土壌です。この土壌ではコメ、バナナ、コーヒー、茶、ゴムなどを栽培しています。

農業人口

インドの農業従事者は、総人口の約45%を占めており、世界でも有数の農業大国です。近年は都市部への人口流出が進んでいるものの、依然として多くの人々が農業に携わっています。

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食料自給率100%超を支える政府の政策

インド政府は、食料安全保障を国家的な目標として掲げ、農業生産の拡大と農民の生活向上に力を入れています。その結果、インドは食料自給率100%を超え、世界でも有数の食料大国となりました。

インド政府は、以下のような食料安全保障政策を実施しています。

  • 最低支援価格制度:政府が農産物の最低買入価格を保証することで、農民の収入を安定させる制度
  • 公的流通システム:政府が食料を買い入れ、低価格で国民に販売する制度
  • 農業補助金:肥料や農薬などの農業資材に対する補助金
  • 農業技術の普及:近代的な農業技術の普及
  • 農業インフラの整備:灌漑施設や農道などの農業インフラの整備

インド政府の食料安全保障政策により、インドの食料自給率は大幅に向上しました。1990年代には約70%だった食料自給率は、2020年には107%に達しています

食料自給率の向上により、農民の生活も向上しています。農村部の貧困率は、1990年代には約50%でしたが、2020年には約28%まで減少しています

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近代化と伝統の融合:持続可能な農業への取り組み

インド農業は、近代化と伝統の融合によって、持続可能な発展を目指しています。

近年、インド農業は急速に近代化が進んでいます。農業機械の導入、灌漑技術の改善、種子改良などの取り組みが行われています。これらの取り組みにより、農業生産性は大幅に向上しています。

一方、インドには古くから伝わる伝統的な農業技術も数多く存在します。例えば、有機農業や輪作、混作などの技術は、環境負荷を低減しながら農作物を栽培することができます。

有機農業

化学肥料や農薬を使用せずに、堆肥や緑肥などを活用して農作物を栽培する農業

輪作

同じ畑に同じ作物を続けて栽培せずに、異なる作物を輪番で栽培する農業

混作

異なる作物を一緒に栽培する農業

インド農業では、近代化と伝統農業の融合が図られています。近代的な農業技術を活用しながら、伝統的な農業技術の良さを活かすことで、持続可能な農業を目指しています。

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まとめ

インドは、広大な国土と豊かな自然環境、そして農業に携わる人々の努力によって、世界トップクラスの農業生産量を誇っています。コメ、小麦、綿花、紅茶など、様々な品目で上位にランクインするその強さは、食料安全保障の観点からも世界に貢献しています。

近年は、近代化と伝統農業の融合による持続可能な農業への取り組みも進められています。課題も存在しますが、更なる飛躍が期待されるインド農業は、今後の世界農業を牽引していく存在となるでしょう。


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