「砂漠」と聞くと、サハラ砂漠のような砂の大地を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし「砂漠」の定義にはなんと南極大陸もあてはまり、世界最大の砂漠となるのです!
今回は、南極が実は砂漠であることについて、そしてユニークな特徴を持つ他の砂漠についてもご紹介します。
砂漠の定義と要因
「砂漠」と聞くと、砂で覆われた大地をイメージしてしまいます。しかし、実は「砂漠」の定義は砂があるかどうかではなく、「年間降水量が250mm以下の地域」または「潜在蒸発散量(蒸発量と植物からの蒸散量の合計)が降水量よりも多い地域」です。潜在蒸発散量が降水量より多いというのは、雨が降っても、地面から失われる水の量の方が多いということです。
砂漠は地球上の陸地の約20~25%を占め、世界中に分布しています。代表的な砂漠としては、サハラ砂漠、ゴビ砂漠、アタカマ砂漠などがあります。
砂漠の形成には、様々な要因が関係しています。主な要因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 雨陰効果
山脈の風下側では、山脈によって湿った空気が遮られ、降水量が少なくなる。 - 大陸内部
大陸内部は、海からの距離が遠いため、降水量が少なくなる。 - 寒流の影響
寒流の影響を受ける地域は、気温が低く、降水量も少ない。
このように、砂漠は様々な条件が重なって形成されます。降水量が少ないため、植生が少なく、気温の日較差が大きいという特徴があります。
南極は砂漠の定義にあてはまる?
南極大陸は、一面が氷と雪で覆われているため、砂漠とは縁遠いイメージがあるかもしれません。しかし、実は南極大陸は世界最大の砂漠でもあるのです。
南極大陸全体の年間降水量は平均で166mm(1999年)と、砂漠の定義である250mmを大きく下回っていることから、定義上は砂漠といえます。また、南極大陸は気温が低いため、飽和水蒸気量が少なく氷も蒸発しないことから、非常に乾燥しています。
特に、南極東部には年間降水量20mm以下の地域もあり、かなり乾燥した場所として知られています。実際、南極には極端に乾燥した地域が存在し、マクマードドライバレーと呼ばれる場所では、雪や氷さえ見られないほどです。

もし、南極大陸を砂漠として分類すると、その面積は約1400万平方キロメートルとなり、アフリカ大陸のサハラ砂漠(約900万平方キロメートル)を凌駕して世界最大の砂漠となります。
このように、南極大陸は氷に覆われた世界最大の砂漠という、一見矛盾するような特徴を持っているのです。
南極が砂漠と呼ばれない理由
南極大陸が世界最大の砂漠であるにもかかわらず、一般的に「南極砂漠」と呼ばれることはほとんどありません。その理由は主に以下の3つが考えられます。
イメージの問題
南極大陸といえば、一面が雪と氷で覆われた極寒の地というイメージが強いでしょう。そのため、砂漠という乾燥した場所とは結びつきにくいのです。
生物の生息と独自の生態系
砂漠というと、生命の少ない荒涼とした場所というイメージがあります。しかし、南極大陸には、ペンギンやアザラシ、オットセイなど、様々な生物が生息しています。また、南極大陸は、独自の生態系を持つ特殊な環境です。そのため、他の砂漠とは区別して扱われることが多いのです。
「乾燥帯」の定義にあてはまらない
ケッペンの気候区分では、砂漠気候が属す「乾燥帯(B)」の定義のひとつとして「最暖月の平均気温が10℃以上であること」が挙げられます。南極大陸は「寒帯(E、最暖月平均気温が10°C未満)」に属しますので、乾燥帯にはあてはまりません。
これらの理由から、南極大陸は砂漠の定義を満たしているにもかかわらず、一般的には砂漠と呼ばれないと考えられます。
世界にはこんな砂漠もあった!ユニークな砂漠たち
砂漠というと、どれも同じような乾燥した場所というイメージがあるかもしれませんが、実は世界には様々な特徴を持つユニークな砂漠が存在します。ここでは、その中でも特に興味深い砂漠をいくつかご紹介します。
灼熱地獄!世界一暑い砂漠「デスヴァレー」

デスヴァレーは、アメリカ合衆国カリフォルニア州とネバダ州にまたがる砂漠で、世界一暑い場所として知られています。1913年には、気温が56.7℃を記録したことがあり、これは地球上で確認された最高気温でもあります。
デスヴァレーの暑さは、盆地地形と乾燥した気候によって引き起こされます。盆地地形によって熱が逃げにくくなり、さらに乾燥した気候によって降水量が少ないため、気温が上昇しやすくなっているのです。
世界で最も降水量の少ない場所「アタカマ砂漠」

アタカマ砂漠は、チリ北部にある砂漠で、世界で最も乾燥した場所として知られています。年間降水量は0.1mm以下という記録もあり、雨がほとんど降らない地域です。
アタカマ砂漠が乾燥している理由は、東にあるアンデス山脈が雨雲を遮ってしまうためです。そのため、アンデス山脈の西側にあるアタカマ砂漠には、ほとんど雨が降らないのです。
植物が生える砂漠「ソノラ砂漠」

ソノラ砂漠は、アメリカ合衆国南西部とメキシコ北部に広がる砂漠で、サボテンや多肉植物など、様々な植物が生息していることで知られています。
ソノラ砂漠が他の砂漠と異なる点は、降水量が多いことです。年間降水量は300mm程度と、他の砂漠に比べると多いですが、それでも植物が生息するには十分な水量ではありません。ソノラ砂漠の植物は、限られた水量を効率的に利用するために、様々な進化を遂げてきました。例えば、サボテンは茎に水を蓄え、多肉植物は葉に水を蓄えることで、乾燥した環境でも生きることができます。
このように、ソノラ砂漠は他の砂漠とは異なり、植物が生息するユニークな砂漠なのです。
まとめ
南極が世界最大の砂漠であるという意外な事実をご紹介しました。一般的には砂漠と呼ばれていないので、面白い雑学として披露できるかもしれません。
参考
- 山崎道夫『南極の気象』細氷37号(1991年、日本気象学会北海道支部)
- 砂漠って、なんだろう? – きみもなろう!砂漠博士(鳥取大学乾燥地研究センター)
- 南極大陸 – wikipedia
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