「ひどい」「かわいそう」と思うかもしれませんが、なんと「クソニンジン」と呼ばれる植物が存在します。実際、この植物にはユニークな特徴があり、その名前の由来や歴史、そして思いがけない薬効の魅力に驚かされるかもしれません。
クソニンジンとは?

クソニンジンは、中国をはじめとするアジア原産のキク科の一年草で、日本に帰化してからは雑草として至るところで見られるようになりました。草丈は1メートルから2メートルほどになり、夏から秋にかけて小さな黄緑色の花を咲かせます。一見すると何の変哲もない植物のように見えますが、その歴史や効果を知ると、ただの雑草ではないことが分かるのです。
クソニンジンの名前の由来
なぜ「クソニンジン」という名前がついたのでしょうか。これは、日本での見た目と匂いに関する印象からきています。クソニンジンの葉や茎をこすると、独特で強烈な香りが漂い、日本人にはこの匂いが「クソ(臭い)」のように感じられたことから名付けられました。見た目はニンジンとはまったく異なりますが、地上部が密に生える様子がニンジンに似ているため、「ニンジン」の名も付けられたようです。この独特の香りには、実は虫よけ効果もあり、民間ではガーデニングで他の植物を守るために使われることもあります。
クソニンジンの薬効成分「アルテミシニン」
クソニンジンはその強烈な香りだけでなく、実は驚くべき薬効成分を持っています。1970年代、「アルテミシニン」という成分がクソニンジンから抽出され、この成分がマラリアに対して非常に効果が高いことが判明しました。実際、アルテミシニンは現在、抗マラリア薬として広く使われており、特に耐性のあるマラリア菌にも効果があるため、世界中の医療機関で重宝されています。
アルテミシニンの発見者である中国の薬学者・屠呦呦(トゥ・ヨウヨウ)氏は、この功績により2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。彼女は古代中国の薬草に関する文献を調べ、クソニンジンがマラリアの治療に使われていたことを知り、そこから現代の抽出方法を確立しました。つまり、クソニンジンは数千年にわたって人々の命を救ってきた薬草の一つと言えるのです。
近年では新型コロナウイルスの治療薬としても研究されるなど、今後も活躍が期待されます。
まとめ
「クソニンジン」というちょっと風変わりな名前に惹かれて、その植物について調べてみると、ただの雑草ではないことがわかります。何百年も前から人々の健康を支えてきたこの植物が、現代でも役立つ形で見直される時代が来ているのです。薬草としての実力や環境への適応力から見ても、クソニンジンはまだまだ私たちに驚きと発見を与えてくれるでしょう。
参考
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