実際の大学入試を参考に、練習問題を作成しました。問題形式のみを参考にし、文章や設問はオリジナルです。手持ちのテキストをやり尽くしてしまった方や、オリジナル問題をお探しの先生方におすすめです。
各設問の解説はできるだけ詳細に書きましたので、ぜひお役立てください。
過去問ではありませんので、受験生のみなさんは必ず赤本等で実際の過去問をチェックしておきましょう。この問題はあくまでも補助的にお使いください。
各大学のレベルに合わせて、語彙や文章の難易度は一応チェックしてありますが、絶対とは言えません。
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問題
次の英文を読んで、設問1~10に答えなさい。(問題形式参考:2023専修大学 大問Ⅰ)
[1] The Silk Road, a network of ancient trade routes, played a crucial role in connecting the East and West for over 1,500 years. While often romanticized* as a single road, it was, in reality, a complex web of land and sea routes spanning thousands of kilometers. This intricate network facilitated not only the exchange of goods like silk, spices, and tea but also the transmission of ideas, cultures, and religions. The flow of Buddhism from India to China and the spread of Islam across Central Asia are prime examples of the cultural exchange that occurred along the Silk Road.
[2] The economic impact of the Silk Road was profound. Cities along the routes, such as Samarkand*, Bukhara*, and Dunhuang*, flourished as centers of trade and commerce. These bustling hubs (ア)attracted merchants, scholars, and travelers from diverse backgrounds, creating a truly cosmopolitan* environment. However, the Silk Road’s influence extended far beyond its surrounding areas. (イ)The demand for luxury goods from the East stimulated economic growth in Europe, particularly in Italian city-states like Venice* and Genoa*. These cities, in turn, played a vital role in the European Renaissance*, funding artistic and intellectual endeavors with the wealth generated from trade.
[3] (ウ)The decline of the Silk Road began in the 15th century with the rise of maritime* trade routes. The Age of Discovery*, marked by European exploration of the Americas and the establishment of sea routes to Asia, offered a faster and cheaper alternative to the difficult overland journey. The shifting trade dynamics gradually diminished the importance of the Silk Road cities, leading to their eventual decline. Furthermore, political instability in Central Asia, including the fragmentation* of the Mongol Empire*, disrupted the safety and security of the land routes, further contributing to the end of the Silk Road.
[4] Despite its decline, (エ)the legacy of the Silk Road continues to inspire people today. Its historical significance is recognized by UNESCO*, which has designated several sections of the Silk Road as World Heritage sites. In recent years, there has been a renewed interest in the Silk Road, particularly with China’s Belt and Road Initiative, (オ)a massive infrastructure project aimed at reviving ancient trade routes. This modern-day initiative seeks to enhance connectivity and cooperation between Asia, Europe, and Africa through the construction of roads, railways, and ports.
[5] However, the new Belt and Road Initiative faces numerous challenges. Geopolitical* tensions, particularly between China and other major powers, could prevent its progress. (カ)They also worry that the project could worsen existing inequalities between participating countries, leading to social unrest. Moreover, concerns about the environmental impact of large-scale infrastructure development and the potential for debt traps in developing nations have been raised by critics. Whether the Belt and Road Initiative will ultimately succeed in its ambitious goals remains to be seen. It is a complex undertaking with far-reaching effects on the global economy and international relations.
[注]
romanticize: ~をロマンチックにする
Samarkand: サマルカンド(ウズベキスタンの都市)
Bukhara: ブハラ(ウズベキスタンの都市)
Dunhuang: 敦煌(中国の都市)
cosmopolitan: 国際色豊かな
Venice: ヴェネツィア(イタリアの都市)
Genoa: ジェノヴァ(イタリアの都市)
Renaissance: ルネサンス
maritime: 海の
The Age of Discovery: 大航海時代
fragmentation: 分裂
the Mongol Empire: モンゴル帝国
UNESCO: ユネスコ(国連教育科学文化機関)
geopolitical: 地政学(上)の
- パラグラフ[1]の内容と一致するものを①~④の中から1つ選びなさい。
① シルクロードは一本の主要な道路から成り立っており、東洋と西洋を結ぶ最短ルートであった。
② シルクロードを通じて、西洋からは主に香辛料が、東洋からは絹が取引され、金銭のやり取りはほとんどなかった。
③ シルクロードは陸路と海路を含む複雑なネットワークであり、商品だけでなく思想や文化の交流も促進した。
④ シルクロードにおける仏教やイスラム教の広がりは、その地域にもたらされた西洋文化の一例である。 - 下線部(ア)の理由として最も適切なものを①~④の中から1つ選びなさい。
① シルクロード沿いの都市が交易と商業の中心地として繁栄したこと。
② シルクロードが西洋と東洋を結ぶ唯一の交易ルートであったこと。
③ シルクロードを利用した商人たちが、各地で独自の文化を発展させたこと。
④ シルクロードが、安全で安定した交易ルートであったこと。 - 下線部(イ)の結果として最も適切なものを①~④の中から1つ選びなさい。
① イタリアの芸術家や知識人たちに新たな表現の機会が提供された。
② ルネサンスの芸術や知的活動に資金が提供された。
③ ヴェネツィアやジェノヴァなどのイタリアの都市国家は、ヨーロッパの芸術や知的活動のあり方を変えた。
④ ヴェネツィアやジェノヴァなどのイタリアの都市国家は、芸術家や知識人たちへの借金を交易で得た冨で返済した。 - 下線部(ウ)の理由として、本文で述べられていないものを①~④の中から1つ選びなさい。
① アメリカ大陸の発見を含む、大航海時代の幕開け。
② 陸路よりも迅速かつ安価な、海上交易ルートの確立。
③ シルクロードとは別の、安全で治安のよい陸路の確立。
④ モンゴル帝国の分裂など、中央アジアにおける政情不安。 - 下線部(エ)に関連する内容として最も適切なものを①~④の中から1つ選びなさい。
① シルクロードは、その歴史的重要性から、数区間が世界遺産として登録されている。
② シルクロードは、その歴史的重要性から、今日でも世界遺産登録に関する議論が続いている。
③ シルクロードは、その歴史的価値が認められ、世界遺産に登録するために再設計された区間がある。
④ シルクロードは、その歴史的価値が認められ、世界遺産として認められるために建設が続いている。 - 下線部(オ)を説明したものとして最も適切なものを①~④の中から1つ選びなさい。
① シルクロードを思い起こさせるような交易ルートを新たに建設する、現代的で大規模なインフラ計画
② アジア、ヨーロッパ、アフリカ間における連結と協力の機会を損失させる、現代的で大規模なインフラ計画
③ 各地にある道路や鉄道、港湾などの古代の交易ルートを再利用する、現代的で大規模なインフラ計画
④ アジア、ヨーロッパ、アフリカの国々に道路や鉄道、港湾などを建設することで技術を提供する、現代的で大規模なインフラ計画 - パラグラフ[5]の内容と一致するものを①~④の中から1つ選びなさい。
① 「一帯一路」構想は、中国と他の大国の軍事的緊張を高める主要因となっている。
② 「一帯一路」構想は、参加国間における社会不安を解消することができる。
③ 「一帯一路」構想は、環境問題や債務問題への懸念から、批判を受けている。
④ 「一帯一路」構想は、世界の物流を阻害する可能性がある。 - 下線部(カ)が指すものとして最も適切なものを①~④の中から1つ選びなさい。
① geopolitical tensions
② major powers
③ participating countries
④ critics - 本文の内容と一致するものを①~⑨の中から3つ選びなさい。解答の順序は問いません。
① シルクロードの全長は、約1,000キロメートルである。
② シルクロードは、現代においても主要な貿易ルートとして機能している。
③ シルクロード沿いの都市は、交易の中心地として栄え、多様な背景を持つ人々が集まる国際色豊かな環境が生まれた。
④ シルクロードは、商品の交換だけでなく、思想や文化の交流にも大きく貢献した。
⑤ 中国の「一帯一路」構想は、シルクロード沿いの国々から歓迎されている。
⑥ 「一帯一路」構想の野心的な目標は、最終的には成功すると見込まれている。
⑦ シルクロードは、かつては安全で安定した交易ルートであったが、15世紀以降、その安全性が揺らいだ。
⑧ ヴェネツィアやジェノヴァなどのイタリアの都市国家は、シルクロードが完成した後に誕生した。
⑨ シルクロードは、東洋から西洋への一方通行の交易路であり、西洋から東洋への交易はほとんど行われなかった。 - 本文のタイトルとして最も適切なものを①~④の中から1つ選びなさい。
① The Silk Road: A Single Road to Prosperity
② The Silk Road: The Rise and Fall of a Global Network
③ The Silk Road: How Maritime Trade Destroyed Land Routes
④ The Silk Road: China’s Modern Ambition and Challenges
解答
1. ③
2. ①
3. ②
4. ③
5. ①
6. ①
7. ③
8. ④
9. ③, ④, ⑦(順不同)
10. ②
解説
- 本文の詳細は全訳参照。パラグラフ[1]を総括し、③の「シルクロードは陸路と海路を含む複雑なネットワークであり、商品だけでなく思想や文化の交流も促進した」が正解である。①は「一本の主要な道路」とあるが、本文では “a complex web of land and sea routes(陸路と海路の複雑な網の目状のネットワーク)” とあり、誤りである。②は「金銭のやり取りはほとんどなかった」とあるが、そのような記述は本文にない。④は「仏教やイスラム教の広がりは、…西洋文化の一例」とあるが、仏教やイスラム教が西洋文化であるという記述はない。
- 下線部(ア)は「商人、学者、旅行者を魅了した」という意味である。直前で、サマルカンド、ブハラ、敦煌などの都市が「交易と商業の中心地として繁栄した」と述べられているため、①が正解。②は「唯一の交易ルート」とあるが、そのような記述は本文にない。③は本文で言及されておらず、④は15世紀以降の衰退につながる記述と矛盾する。
- 下線部(イ)は「東方からの贅沢品への需要が、ヨーロッパにおける経済成長を刺激した」という意味である。その結果として、②「ルネサンスの芸術や知的活動に資金が提供された」と考えるのが最も適切である。下線部直後の “These cities, in turn, played a vital role in the European Renaissance, funding artistic and intellectual endeavors with the wealth generated from trade.(これらの都市は、今度は、貿易から得られた富で芸術的および知的努力に資金を提供し、ヨーロッパのルネサンスにおいて重要な役割を果たした。)”からもそのことが裏付けられている。①は「新たな表現の機会が提供された」とあるが、資金提供について言及されていないため、下線部(イ)の結果としては不十分。③の「ヨーロッパの芸術や知的活動のあり方を変えた」は、②よりも抽象的で、本文ではそこまで言及されていないため、適切とはいえない。④は、借金の返済についての記述が本文中にない。
- 下線部(ウ)は「シルクロードの衰退は15世紀に始まった」という意味である。その理由として、パラグラフ[3]では、①「大航海時代の幕開け」、②「海上交易ルートの確立」、④「中央アジアにおける政情不安」が挙げられている(全訳参照)。③「シルクロードとは別の、安全で治安のよい陸路の確立」は本文で述べられていないため、これが正解である。
- 下線部(エ) “the legacy of the Silk Road”(シルクロードの遺産)に関連する内容として、最も適切なものは①「シルクロードは、その歴史的重要性から、数区間が世界遺産として登録されている」である。これはパラグラフ[4]の “Its historical significance is recognized by UNESCO, which has designated several sections of the Silk Road as World Heritage sites.(その歴史的 重要性はユネスコによって認識されており、ユネスコはシルクロードのいくつかの区間を世界遺産に指定している。)” と一致する。②, ③, ④は世界遺産に関する記述ではあるものの、本文の内容とは一致しない。
- 下線部(オ) “a massive infrastructure project”(大規模なインフラ計画)を説明したものとして、最も適切なものは①「シルクロードを思い起こさせるような交易ルートを新たに建設する、現代的で大規模なインフラ計画」である。これはパラグラフ[4]の “China’s Belt and Road Initiative, a massive infrastructure project aimed at reviving ancient trade routes(古代の交易路を復活させることを目的とした中国の巨大インフラ計画)” の内容と一致する。②は「機会を損失させる」、③は「古代の交易ルートを再利用する」、④は「技術を提供する」とあり、いずれも下線部の説明としては不適切である。
- パラグラフ[5]の内容と一致するものは、③「「一帯一路」構想は、環境問題や債務問題への懸念から、批判を受けている」である。これは、パラグラフ[5]の “Moreover, concerns about the environmental impact of large-scale infrastructure development and the potential for debt traps in developing nations have been raised by critics.(さらに、大規模なインフラ開発の環境への影響や、 発展途上国における債務の罠の可能性についての懸念が、批評家たちによって提起されている。)” の部分と一致する。①は「軍事的緊張」ではなく「地政学的緊張 (geopolitical tensions)」であるため、不適切。②は「社会不安を解消する」ではなく「社会不安につながる (leading to social unrest)」可能性があると述べられているため、不適切。④は「世界の物流を阻害する」とは述べられていないため、不適切。
- 下線部(カ) “They” が指すものは、④ のcritics(批評家たち)である。下線部(カ)を含む文では、 “They also worry that the project could worsen existing inequalities between participating countries, leading to social unrest(この構想が参加国間の既存の不平等を悪化させ、社会不安につながる可能性を懸念している。)”と述べられており、また直後の文でも “concerns…have been raised by critics(懸念が批判者たちによって提起されている)”とあり、どちらの懸念も “critics(批判者たち)”によるものと捉えられるため、④が適切である。
- 本文の内容と一致するものは、③「シルクロード沿いの都市は、交易の中心地として栄え、多様な背景を持つ人々が集まる国際色豊かな環境が生まれた」、④「シルクロードは、商品の交換だけでなく、思想や文化の交流にも大きく貢献した」、⑦「シルクロードは、かつては安全で安定した交易ルートであったが、15世紀以降、その安全性が揺らいだ」である。 ①は「全長は約1,000キロメートル」とあるが、本文では “spanning thousands of kilometers(何千キロメートルにも及ぶ)” とあり、誤り。②は「現代においても主要な貿易ルートとして機能」とあるが、本文では15世紀に衰退したとあるため、誤り。⑤は「シルクロード沿いの国々から歓迎されている」とあるが、本文では「懸念」や「批判」についても言及されているため、誤り。⑥は「最終的には成功すると見込まれている」とあるが、本文では “remains to be seen(まだわからない)”とあり、誤り。⑧は「シルクロードが完成した後に誕生した」とあるが、実際はシルクロード交易による富で繁栄した都市国家であり、誤り。⑨は「東洋から西洋への一方通行の交易路」とあるが、実際は双方向であり、誤り。
- 本文のタイトルとして最も適切なものは、②の “The Silk Road: The Rise and Fall of a Global Network(シルクロード:世界的ネットワークの隆盛と衰退)”である。本文はシルクロードの歴史的役割、繁栄、衰退、そして現代における新たな試みについて述べており、②が最も包括的なタイトルである。①は “A Single Road(一本の道)”とあるが、実際は複雑なネットワークであるため、不適切。③は “How Maritime Trade Destroyed Land Routes(海上貿易がどのように陸路を破壊したか)”という点に焦点が当てられすぎており、本文全体のタイトルとしては不適切。④は “China’s Modern Ambition and Challenges(中国の現代の野心と課題)”という、現代の「一帯一路」構想に焦点を当てたものであり、本文全体のタイトルとしては不適切。
全訳
[1] 古代の交易路のネットワークであるシルクロードは、1500年以上にわたって東洋と西洋を結びつける上で重要な役割を果たした。しばしば単一の道としてロマンチックに語られるが、実際には、何千キロメートルにも及ぶ陸路と海路の複雑な網の目状のネットワークであった。この複雑なネットワークは、絹、香辛料、茶などの商品の交換だけでなく、思想、文化、宗教の伝達も促進した。インドから中国への仏教の流入と、中央アジア全域へのイスラム教の広がりは、シルクロード沿いで起こった文化交流の代表的な例である。
[2] シルクロードの経済的影響は甚大であった。サマルカンド、ブハラ、敦煌などのルート沿いの都市は、貿易と商業の中心地として栄えた。これらの賑やかな拠点は、多様な背景を持つ(ア)商人、学者、旅行者を引き寄せ、真に国際色豊かな環境を作り出した。しかし、シルクロードの影響力は、その周辺地域をはるかに超えて広がっていた。(イ)東方からの贅沢品に対する需要は、ヨーロッパ、特にヴェネツィアやジェノヴァなどのイタリアの都市国家における経済成長を刺激した。これらの都市は、今度は、貿易から得られた富で芸術的および知的努力に資金を提供し、ヨーロッパスのルネサンスにおいて重要な役割を果たした。
[3] (ウ)シルクロードの衰退は、海運交易路の台頭に伴って15世紀に始まった。アメリカ大陸のヨーロッパ人による探検とアジアへの航路の確立を特徴とする大航海時代は、困難な陸路の旅に代わる、より速く安価な代替手段を提供した。交易力学の変化は、シルクロードの都市の重要性を徐々に低下させ、最終的にはそれらの衰退につながった。さらに、モンゴル帝国の分裂を含む中央アジアの政情不安が、陸路の安全性と治安を混乱させ、シルクロードの終焉にさらに貢献した。
[4] その衰退にもかかわらず、(エ)シルクロードの遺産は今日の人々を鼓舞し続けている。その歴史的重要性はユネスコによって認識されており、ユネスコはシルクロードのいくつかの区間を世界遺産に指定している。近年、シルクロードへの関心が再び高まっており、特に古代の交易路を復活させることを目的とした中国の(オ)巨大インフラ計画である「一帯一路」構想が注目されている。この現代の構想は、道路、鉄道、港湾の建設を通じて、アジア、ヨーロッパ、アフリカ間の接続性と協力を強化することを目指している。
[5] しかし、新しい「一帯一路」構想は多くの課題に直面している。地政学的な緊張、特に中国と他の大国との間の緊張は、その進展を妨げる可能性がある。(カ)彼らはまた、この構想が参加国間の既存の不平等を悪化させ、社会不安につながる可能性を懸念している。さらに、大規模なインフラ開発の環境への影響や、発展途上国における債務の罠の可能性についての懸念が、批評家たちによって提起されている。「一帯一路」構想が最終的にその野心的な目標を達成できるかどうかは、まだわからない。それは、世界経済と国際関係に広範囲にわたる影響を与える複雑な事業である。
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