前回は、第2文型(SVC)や第5文型(SVOC)の補語のポジションに分詞が収まる「第33講:補語になる分詞」を学びました。
今回は、分詞が形容詞として完全に定着した「感情を表す分詞形容詞」を完全攻略しましょう!
学校の授業や試験で、次のような選択問題に出会ったことはありませんか?
- This book is ( interesting / interested ).
- I am ( exciting / excited ).
このとき、
「『おもしろい』だから interesting かな?」
「『ワクワクしている』だから exciting かな?」
と、なんとなく日本語のフィーリングだけで選んでいませんか?
日本語の感覚だけに頼っていると、少しひねられた問題が出たときに必ず間違えてしまいます。
英語の「感情を表す動詞」が持つ本来の仕組みを理解すれば、どのような文に出会っても、一瞬で100パーセント確実に正解を選べるようになります。
目からウロコの「一撃選択ルール」を、今日もロジックでスッキリ身につけていきましょう!
感情動詞の本当の正体:英語はすべて「〜させる」という他動詞!

なぜ、感情を表す ing と ed の使い分けで多くの受験生が混乱してしまうのでしょうか。
最大の原因は、英語の「感情を表す動詞」の本来の意味(原義)を正しく捉えられていないことにあります。
日本語では「興味がある」「興奮する」「驚く」という風に、感情は自分の内側から自然に「湧き上がるもの(自動詞)」として表現することが多いです。
しかし、英語の感情動詞はすべて、「(外からの刺激が人に)〜という感情を抱かせる、〜させる」という他動詞なのです。
代表的な感情動詞の本当の意味(原義)を見てみましょう。
- interest:〜に興味を持たせる(× 興味がある)
- excite:〜を興奮させる、ワクワクさせる(× 興奮する)
- surprise:〜を驚かせる(× 驚く)
- disappoint:〜をがっかりさせる(× がっかりする)
- tire:〜を疲れさせる(× 疲れる)
- bore:〜を退屈させる(× 退屈する)
すべての動詞の根っこに「〜させる」という他動詞のパワーが流れていること(他動詞の設計図)を、まずは完璧に脳裏に焼き付けてください。
一撃選択ルール:感情を「与える ing」vs「受け取る ed」
この「〜させる(他動詞)」の前提を踏まえると、現在分詞(ing)と過去分詞(ed)が形容詞化したときのイメージが、次のようにすっきりと決定されます。
現在分詞(ing)のイメージ:感情を「与える(能動・発信)」
感情を周囲に「与える、引き起こす、〜させるような」状態を表します。
- interesting:興味を「与える」ような = おもしろい
- exciting:興奮を「与える」ような = ワクワクさせる、おもしろい
- surprising:驚きを「与える」ような = 驚くべき、意外な
- boring:退屈を「与える」ような = つまらない
過去分詞(ed)のイメージ:感情を「受け取る(受動・受信)」
外からの刺激によって、その感情を「与えられた、〜させられた」状態を表します。
- interested:興味を「与えられた」 = 興味を持っている、関心がある
- excited:興奮を「与えられた(させられた)」 = 興奮している、ワクワクしている
- surprised:驚きを「与えられた」 = 驚いている
- bored:退屈を「与えられた(させられた)」 = 退屈している
この関係を整理したのが、次の一撃選択ルールです。
- 主語や修飾する対象が、その感情を周囲に「与えている(発信している)」なら
= ing(現在分詞) - 主語や修飾する対象が、その感情を心の中で「受け取っている(受信している)」なら
= ed(過去分詞)
【注意】「人は ed、物は ing」という丸暗記の罠
よく学校の先生や参考書で、「主語が人なら ed、物なら ing」と教えられることがあります。
確かに、テストに出る問題の多くはこれで解けてしまいますが、これは非常に危険な「手抜きの丸暗記」です。
例えば、次の文を考えてみてください。
He is a very ( boring / bored ) person.
主語が He(人)だからといって、何も考えずに bored を選んでしまうとどうなるでしょうか。
He is a very bored person. (彼はとても退屈している人だ = 彼はいつも暇そうにしている)
これでも文法的には成り立ちますが、もし「彼は(話が本当につまらなくて、周囲をウンザリさせるような)とても退屈な人間だ」と言いたいのであれば、周囲に退屈を「与えている(発信している)」ので、
He is a very boring person. (彼はとても退屈な人間だ)
とするのが正解になります。
このように、主語が「人」であっても、その人が周囲に感情を「与えている側」であれば、普通に ing が選ばれるのです。
「人は ed、物は ing」という雑な丸暗記ではなく、「感情を与える ing」「感情を受け取る ed」という本質的なロジックで常に考えるようにしましょう。
名詞を修飾するときのカメラワーク
感情分詞が、名詞を直接修飾する(飾る)ときも、全く同じロジックが美しく適用されます。
- an exciting game (興奮を与えるゲーム = おもしろい試合)
→ ゲームという物は、プレイヤーや観客に興奮を「与える」存在なので、ing になります。 - an excited crowd (興奮を与えられた群衆 = 興奮している観衆)
→ 観衆という人々は、ゲームなどによって興奮を「与えられた(させられた)」状態なので、ed になります。
飾られる名詞が、その感情を「周囲に放っている(発信)」のか、それとも「心に抱いている(受信)」のか。 このカメラのピントを合わせるだけで、迷うことなく正しい形を選択することができますね!
【実戦確認テスト】感情分詞をマスターせよ!
学んだ一撃選択ルールと感情動詞の本質を使って、次の3問に挑戦してみましょう。
【第1問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
The lecture was so ( ) that many students fell asleep.
(A) bored (B) boring (C) bore
【解答】(B)
【解説】
「その講義はあまりにも退屈だったので、多くの学生が居眠りをしてしまった」という意味の文です。
主語の The lecture(その講義)と、感情動詞 bore(退屈させる)の関係性を考えます。講義という物は、聞いている学生たちに退屈を「与える(発信している)」側です。
したがって、感情を周囲に与えるイメージを持つ現在分詞の (B) boring が正解になります。
(A) の bored にしてしまうと「講義自体が、何かに退屈してあくびをしている」というホラーな意味になってしまいます。
【第2問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
We were highly ( ) to hear the news of his success.
(A) excited (B) exciting (C) excite
【解答】(A)
【解説】
「私たちは彼の成功のニュースを聞いて、大いに興奮した[ワクワクした]」という意味の文です。
主語の We(私たち)と、感情動詞 excite(興奮させる)の関係性をチェックします。私たちは、彼の成功のニュース(外からの刺激)によって、興奮を心の中に「与えられた(受け取った)」側です。
したがって、感情を受け取っている状態を表す過去分詞の (A) excited が正解になります。
【第3問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
She looked ( ) at the sudden sound of the door closing.
(A) surprising (B) surprised (C) surprise
【解答】(B)
【解説】
「彼女はドアが閉まる突然の音に驚いた様子だった」という意味の文です。
主語の She(彼女)と、感情動詞 surprise(驚かせる)の関係性をチェックします。彼女は、突然の音という外からの刺激によって、驚きを「与えられた(驚かされた)」側であり、心の中で驚きの感情を受け取っています。
したがって、感情を受け取った状態を表す過去分詞の (B) surprised が正解になります。
(A) の surprising にしてしまうと「彼女は、周囲の人々を驚かせるような、びっくりする顔立ち・様子を放っていた」という不自然な意味になってしまいます。
今回のまとめ
- 英語の感情動詞:interest, excite, surprise などはすべて「(人に感情を)〜させる」という他動詞である。
- 現在分詞(ing)の本質:感情を周囲に「与える、発信している」状態(おもしろい、退屈な)。
- 過去分詞(ed)の本質:外からの刺激で、感情を「受け取る、受信させられた」状態(興奮している、驚いている)。
- 「人は ed、物は ing」の罠:主語が「人」であっても、その人が周囲に感情を「与えている側」であれば ing が選ばれる。常に「与える(ing)か、受け取る(ed)か」のロジックで考える。
お疲れ様でした!
ただの暗記ルールに見えた感情の分詞形容詞も、他動詞の設計図と言葉の本質的な意味から、すっきりと納得して使い分けられるようになったのではないでしょうか。
次回からは、分詞の応用表現であり、大学受験長文における最大の重要テーマの1つである「第35講:分詞構文の基本」へと進みます。
一見すると難しそうに見える「分詞構文」の正体を、接続詞を消し去って文をスピード化する英語の仕組みから、どこよりも分かりやすく解説します。どうぞお楽しみに!
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