前回は、分詞が名詞を詳しく説明する「第32講:分詞の名詞修飾(1語なら前、2語以上なら後ろの法則)」を学びました。
今回は、形容詞にワープした分詞たちのもう1つの超重要なお仕事である「補語(C)になる」パターンを攻略していきましょう!
第1講や第3講の5文型で学んだ通り、形容詞の仕事は名詞を飾るだけでなく、文の補語(C)になることでした。
したがって、形容詞にワープした分詞たちも、当然、第2文型(SVC)や第5文型(SVOC)の補語(C)のポジションにすっぽりと収まります。
学校の授業で「keep O ing」だの「hear O 過去分詞」だのと、膨大な公式として暗記させられて嫌気が差したことはありませんか?
これらはすべて、第3講で学んだ「イコール(=)の設計図」と、第32講で学んだ「能動・受動のチェック」を組み合わせるだけで、パズルのように一瞬で解き明かせるようになります。
長文読解の視界が一気にクリアになる構造のルールを、今日もスッキリ身につけていきましょう!
第2文型(SVC)の補語になる分詞:主語の状態を説明する
まずは、第2文型(SVC)の補語(C)に分詞が入るパターンです。
第3講で学んだ通り、第2文型の設計図は<S + V + C>であり、主語(S)と補語(C)の間に「S = C(主語がどのような状態であるか)」というイコール関係が成り立ちます。
この C の席に分詞を置くことで、主語(S)が「〜しながら(能動)」「〜されながら(受動)」その動作を行っている、という生き生きとした状態を説明することができます。
【よく使われる動詞】
- sit(座っている)
- stand(立っている)
- keep(〜のままでいる)
- emain(〜のままでいる)
など
実際に比べてみましょう。
① 現在分詞(ing)が補語になるパターン(能動)
主語が、自らその動作を「している」状態で存在していることを表します。
【例文1】
He sat reading a book. (彼は本を読みながら座っていた)
主語の He と、分詞 read の関係性をチェックしましょう。
「彼が(自ら)本を読んでいる(能動)」という関係(He = reading)が成り立っています。したがって、現在分詞の reading が補語(C)に置かれます。
② 過去分詞が補語になるパターン(受動)
主語が、誰かからその動作を「されている」状態で存在していることを表します。
【例文2】
He stood surrounded by many children. (彼はたくさんの子供たちに囲まれて立っていた)
主語の He と、分詞 surround(囲む)の関係性をチェックします。
「彼が(子供たちによって)囲まれている(受動)」という関係(He = surrounded)が成り立っています。したがって、過去分詞の surrounded が補語(C)に置かれます。
このように、動詞の直後にポンと分詞が置かれている文を見かけたら、「主語(S) = 分詞(C)」 というイコールの関係を頭の中に浮かべるだけで、意味をスッキリと理解することができます。
第5文型(SVOC)の補語になる分詞:目的語の状態を説明する
次に、出題率が高い第5文型(SVOC)の補語(C)に分詞が入るパターンを攻略します。
第3講で学んだ通り、第5文型の設計図は<S + V + O + C>であり、最大の特徴は「目的語(O)と補語(C)の間に、主語と述語の関係(O = C の関係)」が成り立つことでした。
この C のポジションに分詞を置く場合も、全く同じロジックが適用されます。
チェックすべきなのは、主語(S)ではありません。「目的語(O)」と「補語(C)」の関係性です。
【チェック方法】
目的語(O)を「主語(S’)」、補語(C)の分詞を「動詞(V’)」に見立てて、そこに「する(能動 = ing)」の関係があるか、「される(受動 = 過去分詞)」の関係があるかを確認する。
受験で狙われる3大動詞グループで、実際の使われ方を見ていきましょう。
① 状態・放置を表す動詞:keep / leave O C
- keep O C:OをずっとCの状態にしておく
- leave O C:Oを(ほったらかしで)Cの状態にしておく
【例文1:能動】
Don’t keep me waiting so long. (私をそんなに長く待たせないでください)
目的語の me(私)と、wait(待つ)の関係性をチェックします。
「私が(自分の意志で)待つ(能動)」という関係(me = waiting)が成り立ちます。したがって、現在分詞を用いた waiting が補語(C)に置かれます。
【例文2:受動】
He left the door locked. (彼はドアに鍵をかけたままにしておいた[鍵をかけられた状態のまま放置した])
目的語の the door(ドア)と、lock(鍵をかける)の関係性をチェックします。
ドアは自分で自分に鍵をかけることはできません。人によって「鍵をかけられる(受動)」側です。
「ドアが鍵をかけられている(受動)」という関係(the door = locked)が成り立ちます。したがって、過去分詞を用いた locked が補語(C)に置かれます。
② 知覚を表す動詞:see / hear / feel O C
- see O C:OがCしているのを見る / されるのを見る
- hear O C:OがCしているのを聞く / されるのを聞く
【例文3:能動】
I saw the dog barking at the stranger. (私はその犬が見知らぬ人に吠えているのを見た)
目的語の the dog と、bark(吠える)の関係性をチェックします。
「犬が自ら吠えている(能動)」ので、現在分詞の barking が正解です。
【例文4:受動】
I heard my name called in the crowd. (私は人混みの中で自分の名前が呼ばれるのを聞いた)
目的語の my name と、call(呼ぶ)の関係性をチェックします。
名前は自ら誰かを呼ぶことはできません。誰かによって「呼ばれる(受動)」側です。
「名前が呼ばれている(受動)」という関係(my name = called)が成り立ちます。したがって、過去分詞の called が正解です。
③ 使役・被害・完了を表す動詞:have / get O C
have や get の後ろに過去分詞を置く<have / get + O + 過去分詞>という形は、目的語(O)と補語(C)の受動(OがCされる)という関係性から、文脈によって次の3つの意味に変化します。
- 使役(〜してもらう、させる):OをCされた状態にする
- 被害(〜される、されてしまう):OをCされた状態にされてしまう(※悲しい出来事)
- 完了(〜してしまう):OをCされた状態に完了させる
【例文5:使役】
I had my hair cut yesterday. (私は昨日、髪を切ってもらった)
目的語の my hair(髪の毛)と cut(切る)の関係性をチェックします。
髪の毛は自分で動き回って何かを切ることはできません。美容師さんなどによって「切られる(受動)」側です(my hair = cut[※過去分詞])。
そこから「髪が切られた状態を(お金を払って)手に入れた(haveした)」という使役(〜してもらう)の意味になります。
【例文6:被害】
I had my wallet stolen on the train. (私は電車の中で財布を盗まれた)
目的語の my wallet と steal(盗む)の関係性をチェックします。
財布は泥棒によって「盗まれる(受動)」側です(my wallet = stolen)。
そこから「財布が盗まれた状態(悲しい状況)を背負ってしまった(haveした)」という被害(〜される)の意味になります。
一見難しそうに見える have O C の用法も、すべては「O と C の間に、受動のイコール関係がある」という設計図から生み出されたものなのです。
【実戦確認テスト】補語の分詞をマスターせよ!
学んだ配置のルールと関係性チェックを使って、次の3問に挑戦してみましょう。
【第1問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
He sat ( ) the newspaper on the bench.
(A) reading (B) read (C) to read
【解答】(A)
【解説】
「彼はベンチで新聞を読みながら座っていた」という意味の文です。
主語の He と、read(読む)の関係性をチェックします。「彼が(自ら)新聞を読んでいる(能動)」という関係が成り立ちます。 主語が自ら行う動作を表すため、現在分詞の (A) reading が補語Cとして正解になります。
(B) の動詞の原形や、(C) の不定詞は、sat の補語として直接置くことはできません。
【第2問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
I could not make myself ( ) in English because of the noise.
(A) understand
(B) understanding
(C) understood
【解答】(C)
【解説】
「騒音のせいで、私の英語は(相手に)理解してもらえなかった」という意味の、受験・資格試験の超定番重要表現です。
<make myself understood> で「自分の言うことを相手に理解してもらう」という意味になります。
ロジックで考えましょう。目的語の myself(私自身、私の言うこと)と、understand(理解する)の関係性をチェックします。私自身が何かを理解する(能動)のではなく、私の言うことが周囲の人々によって「理解される(受動)」という関係が成り立ちます。
したがって、受動を表す過去分詞を用いた (C) understood が正解になります。
【第3問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
We must keep the food ( ) in the refrigerator during the summer.
(A) storing (B) stored (C) store
【解答】(B)
【解説】
「夏の間、私たちはその食べ物を冷蔵庫に保存しておかなければならない」という意味の文です。
keep O C(OをCの状態に保つ)の形を完成させる問題です。目的語の the food(食べ物)と、store(保存する、蓄える)の関係性をチェックします。食べ物という物は自ら何かを保存することはできません。人によって「保存される(受動)」側です。「食べ物が保存されている(受動)」という関係が成り立つため、過去分詞を選ぶ必要があります。
したがって、(B) stored が正解になります。
今回のまとめ
- 第2文型(SVC)の分詞補語:主語(S)と補語(C)の間にイコール関係が成り立つ。主語が「〜しながら(ing)」なのか、「〜されながら(過去分詞)」なのかで決定する。
- 第5文型(SVOC)の分詞補語:目的語(O)と補語(C)の間にイコール関係(主述関係)が成り立つ。Oが自ら「する(ing)」のか、Oが「される(過去分詞)」のかで形を決定する。
- keep/leave, see/hear, have/get などの超重要構文も、すべては「O と C の関係性チェック」という1つのルールで完璧に攻略できる。
お疲れ様でした!
「第5文型の補語の分詞」という受験英語の難所を、丸暗記ではなくイコールのロジックで完璧に攻略することができましたね。
次回は「第34講:人の感情を表す分詞形容詞」へと進みます。
interesting や interested、exciting や excited のように、人の感情を表す分詞たちが形容詞化したときの、絶対に迷わない一撃の選択ルールを伝授します。どうぞお楽しみに!
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