前回は、分詞の正体が「形容詞にワープした動詞」であること、そして「分詞は単独で文の動詞としては絶対に動けない」という超重要ルールを学びました。
今回は、形容詞になった分詞たちが、実際に名詞を詳しく説明する(修飾する)ときのルールをマスターしましょう!
学校の授業で、分詞が名詞の前から飾ったり、後ろから飾ったりして混乱したことはありませんか?
「いつ前において、いつ後ろにおくの?」
「ing と過去分詞、どちらで飾ればいいの?」
この2つの疑問に対する答えは、英語のたった2つの「絶対的なルール」を知るだけで、パズルのように一瞬で解き明かせるようになります。
長文読解のスピードを劇的に上げるカタマリの視点を、今日もスッキリ身につけていきましょう!
英語の不変ルール:1語なら前から、2語以上なら後ろから
英語において、形容詞のカタマリが名詞を修飾するとき、置く場所は次のように「単語の数」で機械的に決定されます。
【ルール】
- 分詞が「1語」だけで名詞を飾るとき
→ 名詞の【前】に置く(前置修飾) - 分詞が他の言葉を伴って「2語以上」のカタマリで飾るとき
→ 名詞の【後ろ】に置く(後置修飾)
実際に比べてみましょう。
(1)1語だけの場合(前から修飾)
分詞が単独で名詞を飾るパターンです。普通の形容詞(a beautiful flower など)と同じポジションになります。
【例文1】 Look at the crying baby. (泣いている赤ちゃんを見てごらん)
crying(現在分詞)が1語だけなので、baby の手前に置かれます。
【例文2】 This is a used car. (これは中古車[使われた車]だ)
used(過去分詞)が1語だけなので、car の手前に置かれます。
(2)2語以上の場合(後ろから修飾)
分詞の後ろに、前置詞や目的語などの「おまけの言葉」がくっついてチーム(句)を作っているパターンです。
第20講の「不定詞の形容詞的用法」でも学んだ通り、英語は「長い説明は後ろに回す」という性質を持っています。
【例文1】 Look at the baby crying in the room. (部屋で泣いている赤ちゃんを見てごらん)
crying in the room(3語のカタマリ)で赤ちゃんを飾るため、baby の後ろに置かれます。
【例文2】 This is a car used by my father. (これは父によって使われている車だ)
used by my father(4語のカタマリ)で車を飾るため、car の後ろに置かれます。
このように、飾る言葉が何語あるかを確認するだけで、置くべきポジションが一瞬で決まります。
能動か受動か?名詞との「主語・動詞の関係」を見抜け!

ポジションが決まったら、次は「現在分詞(ing)にするか、過去分詞(過去分詞形)にするか」という、入試で最も狙われる選択問題を攻略しましょう。
日本語の「〜している」「〜される」という訳だけに頼ると、たまに日本語の感覚とズレて間違えてしまうことがあります。
そこで、100パーセント確実に正解を見抜くための「関係性チェック」を行いましょう。
【チェック方法】
飾られている名詞を「主語(S)」、分詞を「動詞(V)」に見立てて、そこに「する(能動)」の関係があるか、「される(受動)」の関係があるかを確認する。
実際にやってみましょう。
実例1:a ( ) bird(飛んでいる鳥 / 飛ばされている鳥)
bird(鳥)と fly(飛ぶ)の関係性をチェックします。
- 鳥が(自分から)飛ぶ = 能動の関係(SがVする)
「鳥が自ら進んで飛んでいる」という能動・進行の関係が成り立ちますね。
したがって、能動・進行のイメージを持つ現在分詞(ing)を選んで、a flying bird とするのが正解です。
実例2:a car ( ) by him(彼に使われている車)
car(車)と use(使う)の関係性をチェックします。
- 車が(誰かによって)使われる = 受動の関係(SがVされる)
車は自分で自分を使うことはできません。人によって「使われる」側です。
したがって、受動のイメージを持つ過去分詞を選んで、a car used by him とするのが正解です。
この「名詞をS、分詞をV」とみなして、頭の中で小さな主述関係を作ってみるテストを行えば、どのような難問が出ても絶対に間違えることはありません!
【実戦確認テスト】分詞の修飾ルールをマスターせよ!
学んだ配置のルールと関係性チェックを使って、次の3問に挑戦してみましょう。
【第1問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
Do you know the girl ( ) tennis over there?
(A) playing (B) played (C) plays
【解答】(A)
【解説】
「向こうでテニスをしている女の子を知っていますか」という意味の文です。
飾られている名詞 the girl(女の子)と play(テニスをする)の関係性をチェックします。女の子が自らテニスを「する(能動)」という関係が成り立ちます。能動・進行を表す現在分詞(ing)を選ぶ必要があるため、(A) playing が正解になります。
完成した文は、playing tennis over there という4語の長いカタマリが、後ろから the girl を飾る美しい後置修飾の形になります。
【第2問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
The language ( ) in Canada are English and French.
(A) speaking (B) spoken (C) speaks
【解答】(B)
【解説】
「カナダで話されている言語は英語とフランス語だ」という意味の文です。
飾られている名詞 the language(言語)と speak(話す)の関係性をチェックします。言語という物は自ら何かを話すことはできず、人々によって「話される(受動)」側になります。受動を表す過去分詞を選ぶ必要があるため、(B) spoken が正解になります。
完成した文は、spoken in Canada(カナダで話されている)というカタマリが、後ろから the language を詳しく説明する形になります。
【第3問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
The police found the ( ) car in the woods yesterday.
(A) stealing (B) stolen (C) steal
【解答】(B)
【解説】
「警察は昨日、森の中で盗難車[盗まれた車]を発見した」という意味の文です。
飾られている名詞 car(車)と steal(盗む)の関係性をチェックします。車は自分から何かを盗む(stealing)のではなく、泥棒などによって「盗まれる(受動)」側です。受動・完了を表す過去分詞を選ぶ必要があります。また、空欄は名詞 car の「手前(1語)」にあるため、前置修飾のポジションです。したがって、過去分詞の1語で前から修飾している (B) stolen が正解になります。
stealing car にしてしまうと「車自体が何かを盗みながら走っている」というホラーな意味になってしまいます。
今回のまとめ
- 分詞の名詞修飾ルール:1語なら名詞の「前」から(前置修飾)、2語以上なら名詞の「後ろ」から(後置修飾)飾る。
- 現在分詞 vs 過去分詞の決定方法:飾られる名詞を「主語(S)」、分詞を「動詞(V)」に見立てて、自ら行う関係(能動 = ing)なのか、される関係(受動 = 過去分詞)なのかをチェックする。
お疲れ様でした!
「分詞がどこに置かれるか」と「どちらの形を使うべきか」が、すべて英語の論理的な設計図からスッキリ納得できたでしょうか。
次回は「第33講:補語になる分詞」へと進みます。
第3講で学んだ第2文型(SVC)や第5文型(SVOC)の「補語(C)」のポジションに分詞が入り込むパターンを攻略します。「He sat surrounded by…」のような、長文でよく見かけるあの表現の構造をスッキリ整理していきましょう。どうぞお楽しみに!
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