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【ゼロから掴む英文法】第29講:動名詞の重要表現(丸暗記をなくす成り立ちの魔法)

英文法解説
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前回は、動名詞の応用形である「否定・受身・完了形」という3つのスパイスの使い方を学びました。
今回は、動名詞シリーズの仕上げとして、大学入試や資格試験の空所補充・並べ替え・英作文で非常に出題率が高い「動名詞の重要表現(慣用表現)」を完全攻略しましょう!

「動名詞のイディオムは、数が多くて覚えるのが本当に大変……」

そう嘆く受験生はとても多いです。しかし、これらの表現にはすべて、その意味になる納得の「理由(成り立ち)」があります。

ただの呪文のように丸暗記するのを今日で終わりにして、言葉のコアからすっきりと頭に叩き込んでいきましょう!

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受験生ひっかけ実績No.1:to の後ろに ~ing(動名詞)が続く表現

まずは、試験で最も狙われる「to + 動名詞(ing)」のグループから攻略します。

学校で「to の後ろは動詞の原形(不定詞)」と耳にタコができるほど習ったため、受験生は無意識のうちに to の後ろには動詞の原形を置きたくなります。
しかし、このグループで使われている to は、不定詞の to ではなく、「矢印」の本質を持つただの「前置詞の to」です。

第26講で学んだ通り、前置詞(in や at や about など)の後ろは動名詞の独占ステージでしたね。
したがって、これらの表現の後ろには、動詞の原形ではなく必ず<動詞の原形 + ing>を置かなければなりません。

受験で合格点を取るために絶対に外せない4大表現をマスターしましょう。

① look forward to ~ing

意味:〜するのを心待ちにする、楽しみに待つ

なぜ to の後ろが ing なのでしょうか。
forward(前方に)look(視線を向ける)その到達点(to)を指し示しているからです。
遠くの目的地(to)に向かって、首を長くして前を見つめている」というリアルな状況を表しているため、to は方向を示す前置詞であり、後ろにはリアルな躍動感を持つ動名詞(ing)が来ます。

【例文】 I am looking forward to seeing you. (あなたに会えるのを心待ちにしています)

※ 間違えて to see としないように要注意です!

② be used to ~ing

意味:〜することに慣れている

第12講で学んだ助動詞 used to(昔はよく〜したものだ)と形がそっくりですが、全く別物です。

ここでの used は、道具などが「使い古されて、馴染んでいる」という意味で形容詞的に使われています。
その方向(to)に向かって、すでに馴染んでいる状態である」を表すため、to は方向の前置詞であり、後ろには生活のリアルを表す動名詞(ing)が来ます。

be accustomed to ~ing に書き換えることもできます。

【例文】 He is used to getting up early. (彼は早起きすることに慣れている)

③ object to ~ing

意味:〜することに反対する

object は、自分の体をその対象に向かって「ドカンとぶつける(反対する、異議を唱える)」という動詞です。
ぶつける相手の方向(to)を指し指しているため、前置詞の to になり、後ろには動名詞が来ます。

同義語の be opposed to ~ing(〜に反対している)も超頻出です。

【例文】 They objected to carrying out the plan. (彼らはその計画を実行することに反対した)

④ When it comes to ~ing

意味:(話題が)〜するということになると

直訳すると「話(it)が、その目的地(to)までやって来ると」という意味です。
話の向かうテーマの方向(to)を表しているため、前置詞の to であり、後ろには動名詞が来ます。

【例文】 When it comes to playing video games, nobody can beat him. (テレビゲームをすることにかけては、誰も彼に勝てない)

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熟語の裏のコアイメージ:動名詞の超重要表現4選

次に、長文読解や作文で差がつく、動名詞の最重要慣用表現を解説します。

① there is no ~ing

意味:〜することはできない

直訳すると「〜するというリアルな行為(ing)が、そこには存在しない(there is no)」となります。
存在しないのだから、「そんなことは絶対に不可能だ(=できない)」という意味に繋がります。

【例文】 There is no telling what will happen tomorrow. (明日何が起こるかを知ることはできない[わからない])

It is impossible to tell … への書き換え問題がよく出題されます。

② It is no use ~ing

意味:〜しても無駄だ

use は、名詞で「役に立つこと、使い道」という意味です。
〜というリアルな行為をしても、そこには何の役に立つこと(use)も、全く(no)存在しない」という直訳から、無駄だという意味になります。

【例文】 It is no use crying over spilt milk. (こぼれたミルクを嘆いても無駄だ = 覆水盆に返らず)

※文法的には It is useless to cry … への書き換えができますが、ことわざ表現として上記のまま出てくることがほとんどです。そのまま覚えておきましょう。

③ feel like ~ing

意味:〜したい気がする

like は「〜のような、〜のように」という前置詞です。
〜というリアルな行為(ing)をしているかのような気分(like)を、心の中で感じている(feel)」という直訳から、この意味が生まれます。

【例文】 I don’t feel like cooking dinner tonight. (今夜は夕食を作る気がしない)

④ cannot help ~ing

意味:〜せずにはいられない

help という動詞は、cannotと一緒に使うと「避ける、遠ざける」という意味も表せます。
〜というリアルな行為(ing)を、自分の力で避けること(help)が、どうしてもできない(cannot)」という直訳から、「どうしてもやってしまう、せずにはいられない」という意味になります。

【例文】 I cannot help laughing at his joke. (彼のジョークには笑わずにはいられない)

※ 同意表現の <cannot but +動詞の原形> も頻出。こちらもあわせて覚えておこう。

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前置詞が隠れている表現:prevent A from ~ing

美しい設計図を持つ表現が、この「妨害・阻止」を表すグループです。

【型】
<prevent + A + from + ~ing>
<keep + A + from + ~ing>
<stop + A + from + ~ing>

【意味】
Aが〜するのを妨げる(Aに〜させない)
= Aのせいで~できない

【例文】 The heavy rain prevented us from going out. (大雨のせいで、私たちは外出できなかった)

なぜ from が使われるのでしょうか。
前置詞 from の本質的なイメージは「〜からスッと離れる(起点・分離)」です。
Aを力ずくで引き止めて(prevent)、〜するというリアルな行為(ing)から『引き離す(from)』」という構造になっているのです。

話が少し逸れますが、こんな疑問を持つ受験生もいるかもしれません。

prevent(妨げる)や stop(止める)がこの意味になるのはわかるけど、なんでkeep(保つ)が「妨げる」という意味になるの?

確かに keep は「そのまま保つ、留める」という意味ですね。これを from(分離・引き離すイメージ)とドッキングさせて考えてみましょう。

keep A from ~ing をイメージ通りに訳すと、
Aを、〜するというリアルな行為(ing)から【離れた(from)】安全な場所に、そのままキープして(留めて)おく
という意味になります。

その行為から引き離した場所に留めておく」ということは、結果として「Aに〜させない(妨げる)」ということになりますよね。
言葉のコアイメージから考えれば、一見逆のイメージに見える keep が、なぜこの「妨げる」のグループに入っているのかが納得できるはずです。

この from の分離イメージがわかると、なぜこの前置詞が選ばれているのかが、とてもクリアに納得できますよね。

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【実戦確認テスト】重要表現をパズルのように解き明かせ!

学んだルールと成り立ちのコアイメージを使って、次の3問に挑戦してみましょう。

【第1問】

次の(  )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
I am looking forward to (  ) from you soon.
(A) hear (B) hearing (C) heard

【解答】(B)

【解説】
「近いうちにあなたからお便りをもらうのを、楽しみに待っています」という意味の文です。
look forward to の to は、首を長くして前を見つめる視線の到達点(方向)を示す「前置詞の to」です。前置詞の後ろは動名詞(ing)の独占ステージなので、動詞の原形である (A) は置けません。したがって、<動詞の原形 + ing>の形をした (B) hearing が正解になります。
※ 超頻出問題ですが、仕組みがわかっていれば絶対に迷いません。

【第2問】

次の2つの文がほぼ同じ意味になるように、(  )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
It is impossible to know who wrote this letter.
= There is no (  ) who wrote this letter.
(A) know (B) to know (C) knowing

【解答】(C)

【解説】
「誰がこの手紙を書いたのかを知ることは不可能だ(わからない)」という意味の文の書き換え問題です。
上の文は It is impossible to …(〜することは不可能だ)という不定詞の構文です。これを、動名詞を用いたほぼ同じ意味の表現に書き換える場合、There is no ~ing(〜することはできない)の公式を使用します。したがって、動名詞の形をした (C) knowing が正解になります。

【第3問】

次の(  )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
The bad weather kept us (  ) going on a picnic yesterday.
(A) to (B) with (C) from

【解答】(C)

【解説】
「悪天候のせいで、私たちは昨日ピクニックに行けなかった」という意味の文です。
無生物主語(The bad weather)が使われており、直訳すると「悪天候が、私たちをピクニックに行くことから引き止めた」となります。<keep + A + from + ~ing>(Aが〜するのを妨げる)の形を完成させる問題です。
「ピクニックに行くこと(going)」という動作から、私たち(us)をスッと「引き離す(分離)」イメージを持つ前置詞 from を選ぶのが適切です。
したがって、(C) from が正解になります。

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今回のまとめ

  • to + 動名詞(ing):look forward to ing(〜を楽しみに待つ)、be used to ing(〜に慣れている)などの to は、すべて方向を示す前置詞。後ろには必ず動名詞(~ing)を置く。
  • there is no ~ing = It is impossible to do(〜することはできない)
  • It is no use ~ing = It is useless to do(〜しても無駄だ)
  • cannot help ~ing = cannot but do(〜せずにはいられない)
  • prevent [keep / stop] A from ~ing:from の本質である「分離(引き離す)」のイメージから、Aを〜することから引き離して妨げる、という意味になる。

お疲れ様でした!
試験に何度も出る超重要イディオムを、丸暗記ではなく「言葉のコア」からスッキリと攻略することができましたね。

次回は、準動詞シリーズの最大の山場であり、すべての受験生の英語の運命を左右する超重要講義「第30講:不定詞と動名詞の使い分け」をお届けします。
「未来・未完了の to」と「現実・反復・過去の ing」という2つのコアイメージを使い、なぜ decide は不定詞しか後ろに置けないのか、なぜ stop の後ろは意味が変わるのか、といった疑問をパズルのように完璧に整理します。どうぞお楽しみに!

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