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【ゼロから掴む英文法】第28講:動名詞の否定/受身/完了形(3つのスパイスでリアルな表現を極める)

英文法解説
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前回は、動名詞の動作を「誰がやるのか」をハッキリさせる「意味上の主語(所有格や目的格)」を学びました。
今回は、動名詞(動詞の原形 + ing)という形に、次の3つの発展的なスパイスを加える方法を攻略しましょう!

  1. 否定:〜しないこと
  2. 受身:〜されること
  3. 完了形:メインの動詞よりも前の(過去の)こと

第20講で学んだ「不定詞の否定/受身/完了形」と基本的なロジックはまったく同じです。
不定詞の知識と綺麗にリンクさせながら、動名詞ならではの形をパズルのように組み立てていきましょう!

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動名詞の否定:not は ing の「直前」が絶対ルール

まずは、動名詞のカタマリを否定して「〜しないこと」と表現する方法です。

【位置】
not を ing の「直前」に置く

【型】
<not + 動詞の原形 + ing>

【例文】 I apologize for not calling you earlier. (もっと早くあなたに電話しなかったことを謝罪します)

apologize for は「〜を謝罪する」という重要表現です。前置詞 for の後ろなので、動名詞 calling が使われています。
ここで、謝罪している「しない(not)」の対象は何でしょうか。
「謝罪すること(apologize)」を否定しているわけではありません。謝罪はしています。 否定したいのは、そのすぐ後ろにある「電話をすること(calling)」ですね。

第20講でもお伝えした通り、英語には「否定語は、自分が否定したい言葉のすぐ手前に置く」という強力な鉄則があります。
そのため、否定したいターゲットである calling のすぐ手前に not をポンと置くのです。

これを、間違えて「not apologizing for calling」や「apologize not for calling」などとしてはいけません。
「否定したいものの直前に置く」という絶対的なルールさえ持っておけば、絶対に迷うことはありません。

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動名詞の受身:主語との「する・される」を冷静に見分ける

次は「受身(〜されること)」のスパイスです。
受動態の基本は<be動詞 + 過去分詞>でしたね。 これと動名詞(ing)をドッキングさせると、どのような形になるでしょうか。

重なる部分の be動詞が ing 形になるため、必ず being という形が生まれます。

【型】
<being + 過去分詞>

【意味】
「〜されること」

【例文】 He hates being treated like a child. (彼は子供のように扱われるのが嫌いだ)

treat は「〜を扱う」という動詞です。彼(He)が誰かを「扱う(treatする)」のではなく、彼自身が周囲から「扱われる(treatedされる)」側の立場です。
このように、主語(または意味上の主語)と動名詞の動作との間に「〜される」という受け身の関係があるときは、必ず<being + 過去分詞>の形を使います

英作文や文法問題で、普通の ing(〜すること)にするべきか、being + 過去分詞(〜されること)にするべきか迷ったら、「主語は、その動作を『する』側なのか?それとも『される』側なのか?」 という視点を、常に冷静に確認する癖をつけましょう。

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動名詞の完了形:メインの動詞よりも「昔のこと」を語る

最後に、受験生が最も苦手とする「完了形(having + 過去分詞)」のスパイスです。
この形は、文全体の動詞(メインの動詞)が表す時間と、動名詞の中身が表す時間に「ズレ」があるときに使われます。

学校では「完了動名詞」などと呼ばれますが、仕組みは非常にシンプルです。

【ルール】
メインの動詞(V)よりも、動名詞の内容が「古い(過去の)内容」のときは、完了形のスパイスを使う。

【型】
<having + 過去分詞>

【意味】
「(過去に)〜したこと」

次の2つの文をじっくりと見比べて、時間の感覚をつかみましょう。

【文1:普通の動名詞(時間のズレがない)】
She is proud of being a doctor. (彼女は医師であることを誇りに思っている)

  • is proud(誇りに思っている):現在
  • being a doctor(医師である):現在

→ 誇りに思っているのも「今(現在)」で、医師であるのも「今(現在)」です。時間が一致しているため、普通の ing を使います。

【文2:完了動名詞(時間のズレがある)】
She is proud of having been a doctor. (彼女はかつて医師だったことを誇りに思っている)

  • is proud(誇りに思っている):現在
  • having been a doctor(医師だった):過去

誇りに思っているのは「今(現在)」ですが、医師だったのは「過去(かつて)」の話です。

このように、メインの動詞(is = 現在)よりも、動名詞の中身(かつて医師だった = 過去)のほうが、時間が1つ古い(昔の)出来事ですよね。
この「時間のズレ」を相手に正確に伝えるために、完了形のスパイスをドッキングさせて<having + 過去分詞>という形にするのです。

これは、第20講で学んだ「完了不定詞(to have + 過去分詞)」とまったく同じシステムです。
英語は、助動詞の後ろ、不定詞の to の後ろ、そして動名詞など、動詞の原形や特定の形しか置けないという制約がある場所で「過去のこと」を言いたいとき、必ず have(having)というツールを挟んで時間をズラします
この一貫したルールがわかれば、完了動名詞の形もすんなりと納得して暗記を減らすことができます。

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【実戦確認テスト】動名詞を発展形まで極めよ!

学んだ否定・受身・完了形のルールを使って、次の3問に挑戦してみましょう。

【第1問】

次の(  )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
I am ashamed of (  ) kind to the stranger yesterday.
(A) being not
(B) not having been
(C) having not been

【解答】(B)

【解説】
「私は昨日、その見知らぬ人に親切にしなかったことを恥ずかしく思っている」という意味の文です。
恥ずかしく思っている(am ashamed)のは現在の感情ですが、親切にしなかったのは「昨日(yesterday)」という過去のことなので、時間のズレを表す完了動名詞(having been)にしたい場面です。
何より、否定の not の位置は「動名詞(ing)の直前」が英語の絶対ルールです。したがって、直前に not を置いた (B) not having been が正解になります。
(A) は not の位置が後ろにあるため誤りです。(C) は否定語の位置が having の後ろに入り込んでいるため、語順として不自然です(正しくは not having been となります)。

【第2問】

次の(  )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
She is afraid of (  ) laughed at by her classmates.
(A) being (B) having (C) being to

【解答】(A)

【解説】
「彼女はクラスメイトに笑われることを恐れている」という意味の文です。
主語の She と laugh(笑う)の関係を考えましょう。彼女が誰かを笑う(能動)のではなく、クラスメイトから「笑われる(受身)」という関係です。
また、前置詞 of の後ろなので、名詞のカタマリ(動名詞)にする必要があります。受身の動名詞の型は<being + 過去分詞>です。
また、第15講で学んだ「句動詞の受動態」のルール通り、laugh at という接着剤でくっついたカタマリは受動態になっても引き裂けないため、at が残った being laughed at の形になります。 したがって、(A) being が正解になります。

【第3問】

次の(  )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
He denied (  ) the money from the desk.
(A) stealing
(B) being stolen
(C) having stolen

【解答】(C)

【解説】
「彼は机からお金を盗んだことを否定した」という意味の文です。
deny は「〜を否定する」という他動詞で、後ろに動名詞のみを目的語に取る代表的な動詞です。
ここで時間に注目しましょう。彼が事実を否定したのは「過去(denied)」ですが、お金を盗んだのは、否定するよりも「さらに前(大過去)」の出来事です。
メインの動詞(過去)よりも、動名詞の中身(大過去)のほうが時間が古く、明確な時間のズレが存在するため、完了形のスパイスを使う必要があります。
したがって、完了動名詞の形をした (C) having stolen が正解になります。
(A) は時間のズレが表現できず、(B) は受身の形(盗まれることを否定した)になってしまうため不自然です。

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今回のまとめ

  • 動名詞の否定:否定したい言葉の直前に not を置くため、型は<not + 動詞の原形 + ing>になる。
  • 動名詞の受身:主語と動作の間に「〜される」の関係があるときは、型は<being + 過去分詞>を使う。
  • 動名詞の完了形:メインの動詞が表す時間よりも、動名詞の中身のほうが古い(過去の)ときに、時間のズレを表す型<having + 過去分詞>を使う。

お疲れ様でした!
これで、動名詞の少し複雑な応用形(否定・受身・完了形)も完全にマスターできました。不定詞と同じロジックが流れていることが実感できたのではないでしょうか。

次回は「第29講:動名詞の重要表現」へと進みます。
look forward to …ing(〜するのを楽しみに待つ)や、there is no …ing(〜することはできない)など、入試の空所補充や英作文で絶対に落とせない超重要公式を、なぜその意味になるのかという言葉の成り立ちから徹底解説します。どうぞお楽しみに!

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