時や条件を表す副詞節の中では、未来のことでも現在形にする。
学校の授業でこの呪文のようなルールを聞いて、拒絶反応を起こしたことはありませんか?
なぜ未来のことなのに現在形を使わなければならないのでしょうか。そして、試験で毎年多くの受験生が引っかかる名詞節との違いは、どこにあるのでしょうか。
第2講で学んだカタマリの知識(名詞節と副詞節)と、話し手の頭の中のイメージを繋げれば、このルールは一瞬で当たり前のことに変わります。今回は、この入試頻出テーマの本質をシンプルに解説します!
なぜ「未来のこと」なのに「現在形」を使うの?
まずは、なぜ未来のことなのに will を使わずに現在形を使うのか、その本質から迫りましょう。
例文: If it rains tomorrow, we will stay home. (もし明日雨が降ったら、私たちは家にいます)
明日雨が降るというのは、明らかに未来のことです。それなのに、will rain ではなく現在形の rains を使っています。
なぜでしょうか。
「もし明日雨が降ったら」という条件を出すとき、話し手の頭の中はどうなっていると思いますか?
話し手は、まだ来ていない明日の天気を予測(will)しているわけではありません。「明日、雨が降っている場面」をあらかじめ目の前にポンと設定して、すでにその場面の中に頭が入り込んでいるのです。
第4講で学んだ通り、現在形の本質は、いつでも成り立つ当たり前の事実を表す「いつでも形」でした。
「もし明日雨が降ったら」と言うときは、頭の中で「明日雨が降るという事実」を前提として確定させ、その世界の中にワープしている状態です。確定した事実として扱うからこそ、予測の will ではなく、目の前の事実をポンと置く「現在形」を使うのです。
時を表す「〜するとき(when)」も同じです。
「彼が明日ここに来るときに」と言うとき、話し手の頭の中では「彼がここに来た状態」をすでに目の前に設定して、その前提のもとで話をしています。
あらかじめその場面に入り込んでいるから、現在形を使う。これがこのルールの本質です。
合否を分ける!「副詞節」と「名詞節」の超重要ルール

この単元が受験生の前に大きく立ちはだかるのは、「副詞節のときは現在形にするけれど、名詞節のときは普通に will を使う」という区別があるからです。
ここで、多くの受験生が勘違いしている大きな落とし穴があります。
それは、接続詞の if や when には、実は2つのまったく違う意味があるということです。
これまで英語から逃げてきた学生は、
if = 「もし〜なら」
when = 「〜するとき」
としか覚えていません。しかし、それだけだとこの先で必ず行き詰まります。
実は、これらの単語には、カタマリ(節)の種類によって次のようなまったく異なる訳し方があります。
- if
- 副詞節(おまけのカタマリ)のとき:「もし〜なら」
- 名詞節(主役のカタマリ)のとき:「〜かどうか」
- when
- 副詞節(おまけのカタマリ)のとき:「〜するとき」
- 名詞節(主役のカタマリ)のとき:「いつ〜するか」
この2つの意味のスイッチが頭の中で切り替えられるかどうかが、すべてのスタートラインになります。
そして、ここで第2講で学んだ「カタマリの魔法」が最高の武器になります。
例文を比べてみましょう。
- I will call you when he comes back. (彼が戻ってきたら、あなたに電話します)
- I do not know when he will come back. (彼がいつ戻ってくるのか、私にはわかりません)
文1の when のカタマリは、あってもなくても文全体の骨組みが完成します(I will call you だけで文が成り立っています)。つまり、この when カタマリは、時を付け足すおまけの「副詞節」です。 副詞節の中は「彼が戻ってきた場面」を前提として設定しているので、現在形の comes にします。
一方、文2の when のカタマリはどうでしょうか。
動詞 know(〜を知っている)の後ろにあるため、このカタマリは「何を」を表す目的語(O)になっています。目的語になれるのは名詞だけなので、このカタマリは「名詞節(〜するとき、〜ということ)」です。
「彼がいつ戻ってくるのか」という名詞節の中は、前提の設定ではなく、単なる「これからの予定や予測」を言っているだけです。そのため、ルールは適用されず、未来のことなら普通に will come back と表現します。
- 副詞節(おまけのカタマリ)
「もし〜なら」「〜のとき」の前提話
= 現在形! - 名詞節(主役のカタマリ)
「〜かどうか」「いつ〜するか」の予定話
= 未来なら will!
この見分け方ができるかどうかが、入試の正誤判定や動詞の形を問う問題の合否を分けます。
【実戦確認テスト】副詞節の本質を見抜こう!
学んだカタマリの知識を使って、次の3問に挑戦してみましょう。骨組み(S, V, O, C)とおまけ(M)を見分けるのがコツです。
【第1問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
We will go on a picnic if it ( ) fine next Sunday.
(A) is (B) will be (C) has been
【解答】(A)
【解説】
文の骨組みを確認します。 We(主語) will go(動詞) on a picnic(おまけの副詞句). これだけで「私たちはピクニックに行くつもりだ」と、文の骨組みが完全に完成しています。
つまり、後ろの if it fine next Sunday(もし来週の日曜日が晴れたら)というカタマリは、条件を付け足しているだけのおまけの「副詞節」です。 条件を表す副詞節の中では、未来のこと(来週の日曜日)であっても現在形にするため、(A) is が正解になります。
【第2問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
I am not sure if it ( ) tomorrow.
(A) rains (B) will rain (C) rained
【解答】(B)
【解説】
if のカタマリが、文の中でどんな役割をしているか考えましょう。
I am not sure(私はよくわからない)の sure は「〜を確信している」という意味で、後ろの if カタマリは「明日雨が降るかどうか」という中身(目的語のような役割=名詞節)になっています。
「もし〜なら」という条件の副詞節ではなく、「〜かどうか」という名詞節です。名詞節の中では、未来のこと(明日)は普通に未来の表現にするため、(B) will rain が正解になります。
【第3問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
Please tell me the time when he ( ) here tomorrow.
(A) arrives (B) will arrive (C) is arriving
【解答】(B)
【解説】
when のカタマリに注目します。
今回は、すぐ前にある the time(時間:名詞)を後ろから修飾して、「彼が明日ここに到着する時間」という関係を作っています。名詞を修飾するカタマリは、第2講で学んだ通り「形容詞節」になります。「未来を現在形にする」という魔法のルールが適用されるのは、あくまで「副詞節」のときだけです。 形容詞節の中では、未来のこと(明日)は普通に will を使って表すため、(B) will arrive が正解になります。
今回のまとめ
- 「もし〜なら(条件)」「〜するとき(時)」を表す副詞節の中では、未来のことでも現在形にする。
- 本質は、その未来の場面をあらかじめ目の前にポンと設定して、その前提の中に頭が入り込んでいるから。
- 「〜かどうか」「いつ〜するか」を表す名詞節や、名詞を修飾する形容詞節の中では、未来のことは普通に will を使う。
- カタマリが「おまけ(副詞)」か「主役(名詞)」かを見極めることが、この単元を攻略する最大のカギ!
これで、多くの受験生がただの丸暗記で間違え続ける「副詞節の時制」を完全に攻略しました! カタマリを見極める視点があれば、時制問題はもう怖くありません。
次回は、これまでに学んだすべての時制(基本時制、進行形、完了形、副詞節の時制など)を一気に整理し、どのような問題にも対応できる無敵の頭脳を作る「第9講:時制まとめ(時間の迷宮からの完全脱出)」をお届けします。どうぞお楽しみに!
コメント