「過去完了形って、大過去とか基準点とか言われてもよくわからない……」
「完了進行形って、have been ing だから、覚える文字数が多すぎて無理!」
現在完了形を乗り越えた受験生が次にぶつかる壁が、この完了形の応用時制です。
でも心配はいりません。
第6講で学んだ現在完了形の本質である「矢印」のイメージさえあれば、これらの応用時制もすべて一瞬でクリアできます。
今回は、基準点をズラすだけで理解できる「過去完了・未来完了」と、進行形の魔法を掛け合わせた「完了進行形」の本質を、シンプルに解説します!
過去完了形(had + 過去分詞)の本質は「過去の基準点に向けた矢印」

現在完了形は「過去から現在に向けた矢印」でした。過去完了形は、この矢印の終着点(基準点)を「現在」から「過去のある時点」に左へズラしただけです。
- 現在完了形の基準点:現在(今どうなっているか)
- 過去完了形の基準点:過去(そのときどうだったか)
つまり、過去完了形のコアイメージは「さらに昔の過去から、過去の基準点に向かって伸びる矢印」です。
現在完了形と同じく、日本語の訳し方は3通り(完了・経験・継続)に分かれますが、すべて「過去のある一時点に、矢印が届いた状態」を表します。
次の例文を比べてみましょう。
- 現在完了
The train has already left.
電車はちょうど出発してしまった
= だから、今ホームに電車はいない - 過去完了
The train had already left when I arrived at the station.
私が駅に到着したとき、電車はすでに出発してしまっていた
= だから、そのときホームに電車はなかった
文2では、私が駅に到着したという「過去の基準点(arrived)」があります。電車が出発したのはそれよりも「さらに前(大過去)」の出来事であり、その影響が駅に着いた時点まで及んでいたことを表すため、過去完了形(had left)を使います。
このように、過去完了形を使うときは、必ず文中に when I arrived のような「過去の基準点」が存在するのが大きな特徴です。
未来完了形(will have + 過去分詞)の本質は「未来の基準点に向けた矢印」
過去完了形が矢印を過去にズラしたものなら、未来完了形は矢印を未来に右へズラしたものです。
助動詞 will(これから先のこと)と have + 過去分詞(完了形)が合体した形です。
未来完了形のコアイメージは、「過去(または現在)から、未来の基準点に向かって伸びる矢印」です。 未来のある時点までに「〜してしまっているだろう」「〜したことになるだろう」という状況を表します。
【例文】 I will have finished my homework by tomorrow afternoon. (明日の午後までには、宿題を終えているだろう)
明日の午後という「未来の基準点(tomorrow afternoon)」に向けて、現在から矢印が伸びています。
その未来の時点に到達したときには、宿題が完了している状態になっていることを予測・期待しているため、未来完了形(will have finished)を使います。
未来完了形では、by tomorrow(明日までに)や by the time you come back(あなたが戻ってくる時までに)といった、「未来の基準点」を表す言葉が超重要な目印になります。
完了進行形の本質は「ずっと真っ最中」
完了進行形(have been + 動詞の ing 形)は、文字数が多くて見た目が難しそうですが、パーツに分ければ驚くほど簡単です。
- have + 過去分詞(完了形 = ずっと続いている)
- be + 動詞の ing 形(進行形 = 真っ最中)
この2つが合体して、be動詞が過去分詞の been に変化したのが have been ~ing です。 この本質は、文字通り「過去から今まで、ずっと動作の真っ最中であること」を表します。
第5講で学んだ「進行形にできる動詞・できない動詞(5秒ルール)」を思い出してください。
完了形(継続)において、状態動詞(live や know など)を使うときは、普通の現在完了形(have lived)で「ずっと住んでいる」を表せました。
しかし、動作動詞(study や play など)の動作がずっと続いていることを表したいときは、この完了進行形を使います。
【例文】 I have been studying English for three hours. (私は3時間、ずっと英語を勉強し続けている)
3時間前に勉強を始め(現在完了の継続)、今この瞬間も机に向かって鉛筆を動かしている「真っ最中(進行形)」であることを、生き生きとしたライブ感を持って伝えることができます。
これが完了進行形(have been ing)の正体です。
【実戦確認テスト】応用完了形の本質を見抜こう!
学んだ完了形の発展イメージを使って、次の3問に挑戦してみましょう。
【第1問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
The movie ( ) when we got to the theater.
(A) has already started
(B) had already started
(C) will have already started
【解答】(B)
【解説】
文の後半にある when we got to the theater(私たちが劇場に着いたとき)に注目します。
got(到着した)は過去形なので、ここが「過去の基準点」になります。映画が始まったのは、私たちが劇場に着いた過去の時点よりも「さらに前(大過去)」の出来事です。 過去の基準点よりもさらに前の出来事から、基準点まで伸びる矢印を表すため、過去完了形の (B) had already started が正解になります。
【第2問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
By the time she comes back next week, I ( ) this book.
(A) will finish
(B) have finished
(C) will have finished
【解答】(C)
【解説】
文の最初にある By the time she comes back next week(来週彼女が戻ってくる時までに)に注目します。
時を表す副詞節の中なので、未来のことでも comes と現在形を使っています(詳細は次講!)が、表している内容は「来週の未来」です。
つまり、ここが「未来の基準点」になります。来週彼女が戻ってくる未来の時点において、「その本を読み終えているだろう」という未来の完了状態を表したいので、未来完了形の (C) will have finished が正解になります。
【第3問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
It ( ) since this morning, so the ground is very wet now.
(A) is raining
(B) has been raining
(C) had rained
【解答】(B)
【解説】
文の後半に the ground is very wet now(今、地面がとても濡れている)とあり、前半には since this morning(今朝からずっと)とあります。
今朝から「今」この瞬間にかけてずっと雨が降り続けており、今もなお降り続いている(または直前まで降っていた)という、動作の「ずっと真っ最中」であることを生き生きと表したい文です。
雨が降る(rain)は動作を表す動詞なので、現在完了形と進行形を合体させた現在完了進行形を使うのが最も適切です。したがって、(B) has been raining が正解になります。
今回のまとめ
- 過去完了形(had + 過去分詞)
過去の基準点に向けた矢印。基準点より「さらに過去(大過去)」を表す。 - 未来完了形(will have + 過去分詞)
未来の基準点に向けた矢印。「〜してしまっているだろう」という予測。 - 完了進行形(have been + ing)
過去から今まで「ずっと動作の真っ最中」であることを表す。動作動詞の継続で使う。
これで、受験生が最も苦手とする「完了形」の全パターンを完全に攻略しました! 矢印のイメージがあれば、時制問題で迷うことはもうありません。
次回は、時制の単元の中でも特に入試での正誤問題や並べ替え問題の標的になりやすい、超重要テーマ「第8講:時/条件を表す副詞節中の時制(未来を現在に変える魔法のルール)」をお届けします。
多くの受験生が丸暗記で間違えるあのルールの本質を、世界一クリアに解き明かします。どうぞお楽しみに!

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