「進行形なんて、動詞に ing をつけるだけでしょ?」
「〜している、と訳せばいいから簡単!」
もしそう思っていたら、今すぐその勘違いを捨てましょう。
まず、中高生に英文法を教えていると、多くの生徒が「~ing = 進行形」だと思っているんです。
「え?違うの!?」と思ったそこの学生は危険信号。
そもそも進行形の正しい形は、必ず「be動詞 + 動詞の ing 形」です。
be動詞が抜けてしまうと、「動詞の無い文」になってしまいます。なぜなら単に「動詞のing形」は「現在分詞(名詞を修飾したりする別の役割)」だからです。まずはこの前提をしっかりと頭に叩き込んでください。
また、進行形の本質は、ただ「〜している」と訳せばいいわけではありません。
今回は、「進行形にできる動詞・できない動詞」の見分け方を含め、進行形の本当の姿を世界一シンプルに解説します!
進行形の本質は「真っ最中」と「一時的」
進行形(be動詞 + 動詞の ing 形)が表すイメージは、大きく分けて次の2つだけです。ここでも必ず「be動詞」と「ing」がセットになっていることを意識してくださいね。
本質①:動作の「真っ最中」(まだ終わっていない)
ある動作の真っ只中にいて、まだその動作が完了していない状態を表します。
ビデオカメラで「今まさにその瞬間をズームして録画している」ような、生き生きとした躍動感のあるイメージです。
He is running in the park. (彼は公園を走っている)
これは、彼が「走る」という動作の真っ最中であることを表しています。
もちろん、he running のように be動詞(is)が抜けては絶対にダメです。
本質②:普段と違う「一時的」な状態
現在形が「いつでも成り立つ当たり前のこと(いつも形)」を表すのに対し、進行形は「今だけの一時的なこと(いつかは終わること)」を表します。
I am living in Tokyo. (私は[今の一時期]東京に住んでいる)
現在形を使って I live in Tokyo. と言うと、「(普段からずっと)東京に住んでいる」という安定した当たり前の事実になります。
しかし、進行形(am living)を使うと「今は一時的に東京に住んでいるけれど、近いうちに実家に戻るか、別の場所に引っ越す予定がある」という「一時的」なニュアンスが漂います。
「進行形にできない動詞」の正体
よく狙われるのが、「進行形にできる動詞」と「進行形にできない動詞」の区別です。
ここを「〜している」という日本語訳だけで考えようとすると、絶対に失敗します。 本質から考えれば、見分け方はとても簡単です。
動作動詞(進行形にできる)
動きを表す動詞です。
本質:自分の意志で「今すぐ始めて、今すぐやめられる」もの。
状態動詞(進行形にできない)
状態を表す動詞(know, like, resemble, believe, remain など)です。
本質:自分の意志で「今すぐ始めたり、やめたりできない」もの。
迷ったら「5秒ルール」で一発解決!
動詞がどちらなのか迷ったら、「5秒ごとにその動作をやめたり、また始めたりできるか?」を考えてみてください。
例えば、play(遊ぶ・演奏する)はどうでしょうか。
今から5秒間ピアノを弾いて、次の5秒はやめて、また5秒弾く。
これは簡単にできますよね。だから動作動詞であり、進行形(is playing)にできます。
では、know(知っている)はどうでしょうか。
「今から5秒間だけ彼のことを知っていて、次の5秒は一切忘れて、その次の5秒でまた思い出して!」
……どう考えても不可能ですよね。「知っている」というのは、一度知ってしまえば、自分の意志で一瞬でオン・オフを切り替えられるものではありません。だから状態動詞であり、進行形(is knowing など)にすることができないのです。
- 動作動詞
5秒ごとにオン・オフができる
= 進行形にできる - 状態動詞
5秒ごとにオン・オフができない
= 進行形にできない
この5秒ルールさえ持っておけば、動詞選択問題で迷うことは一切なくなります!
なぜ進行形が「未来」を表すことがあるの?
学校の授業で、進行形なのに未来のことを表す表現を習った覚えはありませんか?
He is leaving for London tomorrow. (彼は明日、ロンドンへ出発する)
「今出発している」のではなく、「明日出発する予定だ」という未来の意味になります。なぜ進行形なのに未来の話ができるのでしょうか?
これも本質を考えれば納得できます。
進行形は「すでに半分その動作が始まっている(真っ最中)」というイメージでしたね。
明日ロンドンへ出発するということは、すでに荷造りを終え、チケットを手配し、あとは明日出発するだけの「準備の真っ最中」であるはずです。
このように、すでに予定に向けて動き出している近未来のことは、進行形(be動詞 + ing)を使って表現することができます。
【実戦確認テスト】進行形の本質を見抜こう!
学んだ知識が定着しているか、3問のテストで確かめてみましょう。
【第1問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
She ( ) her mother very much.
(A) resembles (B) is resembling (C) was resembling
【解答】(A)
【解説】
resemble は「〜に似ている」という動詞です。
「似ている」という状態は、5秒ごとに「似たり、似るのをやめたり」と頭の中で切り替えることはできません。したがって resemble は状態動詞なので、進行形にすることはできません。正解は現在形(主語が3人称単数なので s がついた形)の (A) resembles になります。
【第2問】
次の2つの英文の違いとして、正しい説明をしているものはどちらですか。
1) I live in Osaka.
2) I am living in Osaka.
(A) 1は「仕事などで一時的に大阪に住んでいる」ニュアンスで、2は「実家があり、ずっと大阪に住んでいる」ニュアンス。
(B) 1は「ずっと大阪に住んでいて、今後も住み続ける」ニュアンスで、2は「仮住まいなど、一時的に大阪に住んでいる」ニュアンス。
【解答】(B)
【解説】
現在形は過去・現在・未来を貫く「いつでも形(いつもそう)」を表すので、文1は「ずっとそこに住んでいる」という安定した事実を伝えます。
一方、進行形は「一時的(いつかは終わる)」を表すので、文2は「今は一時的に大阪に住んでいるけれど、そのうち引っ越しをする予定がある(実家などに戻る、または別の場所に行く)」という響きになります。したがって、正しい説明は (B) です。
【第3問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
Listen! Someone ( ) the piano in the music room.
(A) plays (B) played (C) is playing
【解答】(C)
【解説】
文の最初に「Listen!(聴いて!)」とあります。今まさにピアノの音が聴こえてきて、注意を引こうとしている状況です。
つまり、「今まさに、誰かがピアノを弾いている真っ最中だ」という生き生きとしたライブ感のある状態を表したいため、進行形の (C) is playing が正解になります。
今回のまとめ
- 進行形の正しい形は、必ず「be動詞 + 動詞 of ing 形」。(ing だけでは進行形にならない!)
- 進行形の本質は、動作の「真っ最中」と「一時的(いつかは終わる)」。
- 5秒ごとにオン・オフができる「動作動詞」は進行形にできる。
- 5秒ごとにオン・オフができない「状態動詞」は進行形にできない。
- 進行形が未来を表すのは、すでに予定に向けて行動が「半分始まっている」から。
進行形の本当のニュアンスがわかれば、英語がもっと立体的でカラフルに見えてくるはずです。
次回は、時制の中でも特に多くの受験生を悩ませる最大の山場、「第6講:現在完了形(時の架け橋)」をお届けします。
日本語には存在しない「完了形」の正体を、矢印のイメージを使って完全クリアにしていきます。どうぞお楽しみに!

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