時制って、覚えることが多くて頭がこんがらがっていませんか?
現在形に過去形、未来の表現……。
動詞の形を丸暗記しようとすると、英語は途端につまらなくなってしまいます。
時制の本質は、ただ「いつの出来事か」を表すだけではないんです。話し手がその出来事を「どう捉えているか」という、心の距離感やイメージを表すためのツールです。
今回は、すべての時制の土台となる「現在・過去・未来」という3つの基本時制の本質を、限界までわかりやすく解説します。進行形や完了形に進む前の、最も大切な基礎をここで完全にマスターしましょう!
現在形の本質は「いつでも形」
現在形という名前のせいで、多くの人が「今の動作を表すもの」と誤解しています。でも、現在形の本質は「今この瞬間」だけではありません。
現在形の本質は、「過去も、現在も、未来も、いつでも成り立つこと」です。 一言で言うと「いつも・普段・当たり前」を表します。
例えば、次の文を見てみましょう。
The sun rises in the east. (太陽は東から昇る)
これは、昨日も、今日も、そして明日も変わらない「当たり前の事実」ですよね。だから現在形を使います。
他にも、次の文はどうでしょうか。
My father smokes.
これは「父は、今まさにタバコを吸っている真っ最中だ」という意味ではありません。
「父は、普段からタバコを吸う習慣がある」という意味になります。
このように、現在形は「過去・現在・未来を貫く、いつでも変わらない事実や習慣」を表すのだと覚えておきましょう。
過去形の本質は「スッと離れた距離感」
過去形は、動詞に ed をつけたり不規則変化させたりして作ります。
この過去形の本質は、単に「昔のこと」というだけではなく、「現在からスッと離れている感覚(距離感)」にあります。
この「離れている感覚」が、次の2つのイメージを生み出します。
イメージ①:時間的な距離(もう終わった過去のこと)
「現在とは切り離された、過去の事実」を表します。今の状況とは一切関係がありません。
I lived in Tokyo three years ago. (私は3年前、東京に住んでいた)
この文は、3年前という「現在から離れた一時点」の話をしています。
大事なのは、過去形を使うことで「今はもう東京に住んでいない(現在とは離れている)」というニュアンスが自動的に伝わる点です。
イメージ②:心理的な距離(丁寧さや仮定法)
現在から距離を置くことで、丁寧な表現になります。
例えば、友達に「手伝ってほしい」と言うときは現在形を使いますが、目上の人に「手伝っていただけますか」と言うときは、過去形の could や would を使います。
これは「現在から一歩引くことで、丁寧にする」という、心理的な距離感から来ています。
この「離れている感覚」が、のちに学習する「仮定法」の土台にもなります。過去形を見たら「現在とは離れているんだな」とイメージしてください。
未来表現の本質は「これから先の予測や意志」
日本語には未来形という動詞の変化がありませんが、英語では助動詞 will や be going to を使って「これから先のこと」を表現します。
この2つの違いを、受験生はよく混同してしまいます。違いをすっきり整理しましょう。
will の本質:「その場の意志」と「客観的な予測」
will の本質は「話し手の強い気持ち(意志)」です。その場でパッと思いついたことや、100パーセントそうなるだろうという予測に使います。
I will call you later. (あとで電話するよ)
これは「いま、その場で電話しようと決めた」という話し手の意志を表しています。
ここで少し、単語の本質に迫ってみましょう。
will は助動詞だけでなく、名詞として使うこともできます。
名詞としての will の意味は、まさに「意志」です。 さらに、人生の最後の強い意志を示すことから「遺言(書)」という意味もあります。
鉄の意志を意味する「アイアン・ウィル(iron will)」という表現を聞いたことがある人もいるかもしれません。
このように、will という単語の根っこには「何が何でもこうするぞ!」という「強い意志」があります。
だからこそ未来の表現で will を使うときは、ただの時間的な未来ではなく、話し手の「絶対に〜するぞ」という強い意志のニュアンスが乗るのです。こう考えると、すんなり納得できますよね。
be going to の本質:「すでに決まっている予定」
be going to は、go(向かって進んでいる)という言葉が入っている通り、「すでにその方向へ準備が進んでいる状態」を表します。
つまり、「以前からすでに計画していて、今まさにそれを実行しようとしている予定」に使います。
I am going to study abroad next month. (私は来月、留学する予定です)
これは、すでに手続きを済ませていたり、留学に向けて準備が動き出しているニュアンスになります。
- その場で決めた意志や100パーセントの予測は「will」
- 前から決まっていた予定や、準備が進んでいることは「be going to」
この違いをしっかり押さえておきましょう。
【実戦確認テスト】基本時制の本質を見抜こう!
学んだ知識が本当に身についたか、3問のテストで確かめてみましょう。
【第1問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
Water ( ) at 100 degrees Celsius.
(A) boil (B) boils (C) boiled
【解答】(B)
【解説】
「水は摂氏100度で沸騰する」という科学的な事実を表す文です。
科学的事実や真理は、過去・現在・未来のいつでも変わらない「いつでも形」なので、現在形を使います。
主語の Water は3人称単数として扱うため、動詞に s がついた (B) boils が正解です。
(C) の過去形にしてしまうと、「昔は100度で沸騰していた(けど今は違う)」という不自然な意味になってしまいます。
【第2問】
次の2つの英文のうち、話し手が「すでに飛行機のチケットを手配するなど、旅行の準備を具体的に進めている」というニュアンスを含んでいるのはどちらですか。
(A) I will visit Okinawa next week.
(B) I am going to visit Okinawa next week.
【解答】(B)
【解説】
(A) の will は「その場の意志」や単純な未来の予測です。「来週沖縄に行こうかな」とその場で決めたような響きがあります。
(B) の be going to は、すでにその予定に向かって「進んでいる(going)」状態を表します。つまり、ホテルや飛行機の予約をすでに済ませていて、準備万端で旅行を控えているニュアンスになります。
したがって、準備を進めているニュアンスを持つ (B) が正解です。
【第3問】
次の( )に入れるのに最も適切なものを1つ選びなさい。
I ( ) my keys yesterday, but I found them this morning.
(A) lose (B) lost (C) will lose
【解答】(B)
【解説】
文の後ろに yesterday(昨日)という、現在とは完全に切り離された過去を表す言葉があります。
また、後半の文で「今朝それらを見つけた」とあるため、鍵をなくしたのは「過去の出来事」です。
現在とは離れた過去の事実を表すため、過去形である (B) lost が正解になります。
今回のまとめ
- 現在形の本質は「いつでも形」
過去・現在・未来を貫く、習慣や事実。 - 過去形の本質は「離れた感覚」
現在とは切り離された過去の事実。 - 未来表現「will」
その場の意志や、100パーセントの客観的な予測。 - 未来表現「be going to」
すでに準備が進んでいる、前から決まっていた予定。
基本となる3つの時間がクリアになれば、ここから先の時制はパズルのように組み合わせていくだけです!
次回は、これらの基本時制に「生き生きとした動き」をプラスする、重要な表現「第5講:進行形」をお届けします。
日本語の「〜している」という訳の罠に引っかからないための、進行形の本当のコア(本質)を伝授します。お楽しみに!
コメント